6月28日 聖淮戦10
俺は、昨日に続き、今日もフリーバッティングを行なっていた。夏の大会へ向けて、俺の調整は続く。
ー6月19日ー
7回裏、貴重な1点をとり、勝ち越しに成功した。勢いにのった聖徳高校は、8回表の淮南高校の攻撃を三者凡退に打ち取ることができた。しかし、淮南高校の湯浅も、8回裏を三者凡退に打ち取り、いよいよ9回に入った。
聖徳高校エース橘は、マウンドから俺たちに声をかけた。俺もセカンドの健太郎やサードに合図を送った。あと、1回。この回の淮南高校の攻撃を抑えれば勝てる。
"淮南高校の攻撃は、5番ライト南くん"。三塁ベンチからは、大きな声が聞こえてくる。マウンドの橘は、右足をあげ、投球動作に入った。"カーン"。打球は、俺のはるか上を越え、レフトの前へ落ちた。
三塁ベンチは、大きく盛り上がっていた。"6番キャッチャー山名くん"。ここで、点取られたらヤバいぞ。そんな気持ちをもちながら、橘を見守った。山名は、送りバントを決めて、1死2塁。打席には、7番の長尾が入った。
長尾も再び、バントの構えをした。1球目こそバットをひいたが、2球目は、キレイに三塁方向に転がした。サードの佐伯がボールを捕り1塁でアウトをとった。
2死3塁となり8番新内。後アウト1つで勝てる。橘もそう思っていたのじゃないか、、、?橘は、橋本のサインに頷く。疲れのせいか、いつもより足が上がっていない様に見える。ボールは、外角低めのボール球となった。続く2球目。少しボールのリリースが早くなったのか?橘が投げたボールは、新内の膝へ。新内は、痛そうにするが、なんとか一塁ベースへと歩き出した。橘は、帽子をとり新内へ謝る姿勢を見せた。
2死1.3塁で、打席には、9番の湯浅が。ここで湯浅かぁ。俺は、そんな思いで湯浅の方を見つめていた。三塁側ベンチからは大きな声援が。ベンチ外の選手たちは、大きな声で湯浅を応援する。どこか、自信がない橘と橋本のバッテリー。
間合いをとろうと思ったが、橘は、すでにサインを決めていた。そして、1球目を投げこんだ。そのボールを湯浅は、思いっきり振り抜いた。打球は、俺の右に、、。打球速度が速いこともあり、左に動いてすぐに飛び込んだ。左手につけていた茶色のグローブをせえいっぱい伸ばす。一瞬、ボールがグローブにかすった様に感じたが、すぐさま、ボールは抜けていく。三塁ランナーが手を叩いてホームベースへとかえっていく。俺の横を抜けたボールをセンターの侑大が走って捕りにくる。侑大は、ボールを捕り、すぐさま三塁へ送球するが、アウトにはならなかった。
9回にきて、試合は、2対2の振り出しにもどった。俺たちは、愕然としていた。特に打たれた橘は、肩を落としながら、首をかしげていた。




