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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

魔法使いになりたい!

作者: ななちゃん

こういう設定で誰か書いてくれよと思ったけどそんな友人いないので日本語苦手だけど書いてみた次第です。


私は魔法使いである。普通の魔法使いではない。

今日は私の記念すべき200才の誕生日。この世界に魔法使いとして誕生してから数えれば194才だが。


私は日本という国に生まれ6才の時に病で亡くなった女の子だった。

死後、天国の様な場所に行くと願いを叶えてくれるというとーっても親切な神様に出逢ってしまった。


そして願った。





「わたしうまれかわるなら、ぜったいふじみの魔法使いになりたい!」


と。







····馬鹿だ。

いや、子供のうちに死んでしまい両親を悲しませてしまったし、次に生まれ変わったのなら長生きしたいと思うのは当然だ。

それに、将来は大好きなアニメの主人公、魔法使いキュア♡プリンになりたいと生前から言っていたし当時6才だったから仕方ない。


仕方ないのだが、絶対って何。不死身だけでもやりすぎなのに。

不死身に絶対という言葉をつけたす必要性はない。


そのうえ私は理想の姿で生まれさせようか?という神様からのありがたいサービスに二つ返事でお願いし「おとなでおひめさまみたいなの」をリクエストしてしまった。


6才にとっての大人とは15、16才くらいを指していた為、私はブリブリのリボンがこれでもかとくっつき何段重ねだよと突っ込みたくなるレースのドレスを着て、頭にお花がグサグサ突き刺さった少女の姿で異世界の街中にポンと落とされたのだった。


神様も雑だ。


せめてもうちょっと配慮して街からちょっと離れた原っぱとかに落としてくれたらよかったのに。



突然現れた変な服変な頭の少女に街の人達は恐れおののいた。


そして、見た目は少女中身はただのガキの私は元気よく「こんにちは!」と挨拶をした。



円形に人が退き、バケモノが現れたと通報を受け駆けつけた街の衛兵(日本のおまわりさんみたいなの)によって、私の頭と体は即座にスパッと切り離された。










·····

··········


ドサッ


ゴロン…


体が崩れ落ち、頭が転がる。





「····倒したか」


「なんて不気味な格好の女なんだ···幽霊の類いだろうか?」


「死体は神父様を呼んで浄化してもらうしか···」


「ッ!おい見ろ!バケモノの体が!」



人々がざわめき出す。





今思い返せば、街の皆さんが驚くのも無理ない。


なぜなら私は〝 絶対不死身の魔法使い〟だから。




ころりと落ちた頭は砂となり消え、体がむくりと起き上がる。

スパッときれいに切れた首の切り口はモコモコと膨らむと、やがて人の頭の形になった。



切りつけた衛兵と目が合う。






「なんで急にきるの?いたいよ」







·····


人々は恐怖のあまり凍りつき、辺りは静寂に包まれた。





数秒後、誰かが叫びながら逃げ出したのを皮切りに街の人々は一斉に逃げ出した。


衛兵も何人か逃げた。



わずかに残った勇敢な衛兵達は剣を構えるがその剣先はガタガタと震えている。




「とんがった物ふりまわしたらダメだよおじさん」


私はお説教した。

チャンバラごっこは人がいない所でやらないとだめよ、と


「ヒッ!····ば、ばけもの!」





私がバケモノ?とキョトンとしていると、



「イテッ」


コツンと何かが頭に当たった。


地面に落ちた何かを見ると、それは芋だった。




「ん?じゃがいも?·····イッ!」


ベシッとこんどは頬に当たった。


芋が飛んでくるほうをみると、同じくらいの歳の男の子(6才)が肩にさげた籠の中から売り物であろう芋を取り出し握り締めていた。


「くらえッ!バケモノめ!」


「えっ?バケモ…痛っ」




「出ていけッ!」


「やめッ」




「消えろッ!」


「きゃっ」





「おりゃッ!」


「グフッ」







「…ふえぇぇぇぇぇぇぇン!」


完全な拒絶の反応を男の子にとられ、芋を投げつけられバケモノ扱いされた私は泣いてその場から逃げ去った。人間ではありえないスピードで。

無意識に何かの魔法を使ったらしかった。


気がつけば私は鬱蒼とした森の中を走っていた。




しばらくして木の根に引っかかり倒れた。

倒れたまま泣いた。




私はバケモノに生まれ変わりたかったわけじゃない


何故、どうして、







私の問に誰も答えてくれないので、考えることをやめ目を閉じた。





次の日


森でうずくまり寝ていた私をキノコと勘違いした通りがかりのおじいさんが発見し、そのおじいさんの奥さんであるおばあさんが私を優しく介抱してくれた。





行く宛てがないことを伝えると、どこにもいかなくていいんだよ、お前が帰ってきてくれて嬉しいと言って2人は私を抱きしめた。

この老夫婦は私を誰かと間違えているのかマリーと呼び、本当の娘のように可愛がり育ててくれた。


そして2人から、教養やこの世界の常識を学んだ。






老夫婦のもとで暮らし始めて10年たった冬、おじいさんが倒れた。

私は思いつく限りの回復魔法っぽい呪文をおじいさんに使ったが、容態は変わらなかった。

病気ではなく寿命を迎えたらしい。


私はおじいさんが亡くなる直前泣きながら言った。

神様が突然あらわれて次に生まれ変わるなら何がいい?ってきいてくるかもしれないけど、絶対不死身とかバケモノになるような変な願いごとしたらだめだよ!欲を出すと失敗するんだからね!って。


おじいさんは優しく微笑み私の頭を震える手で撫でながら言った。次があるならマリーを見守る天使になりたい、それしか特別な事は望まないよ、と。


それを聞いたおばあさんは、なら私はそんな天使をたぶらかす小悪魔ちゃんにでもなっちゃおうかしら、と、シワシワに垂れた胸を寄せてウインクした。




おじいさんは春を迎えると共に天国に旅立った。


おじいさんの葬儀の時、この国では死者を送り出す際に家族や友人が遺体の髪に花を刺して飾ってから土に埋める文化がある事を知った。

髪の毛が全くないおじいさんの為に、おばあさんと私は一緒に作った花冠を、おじいさんの頭に乗せてあげた。



その年の夏、後を追うように今度はおばあさんが死んだ。




私はひとりになった。


私は残される者の痛みを知り、おじいさんおばあさん、そしてもうぼんやりとしか顔が思い出せない、大好きだった日本の父と母を思って泣いた。





しばらくはおじいさんおばあさんの遺した家で暮らしていたが、何年経っても全く姿が変わらない私を不審に思う村の人達の視線が痛かった。


精神年齢がやっと見た目を追い越した時、私は森に移り住むことにした。



森に引きこもって早180余年。



ひとり孤独に過去の過ちを嘆きながらケーキを食べている今現在。



ここは魔法と冒険の世界でもなんでもなく、農業主体の平和な国だった。



私の魔法の出番も特にない。



最後に魔法を使ったのもいつだったか思い出せない。







一体私は何なのだろう。










私が幾度と無く繰り返した自問自答をしていると、目の前が急に光だした。


光の中から、白い羽根の生えた美しい金色の長い髪の青年があらわれた。


びっくりしてケーキのフォークを床に落とした私に青年は髪をたなびかせ、微笑みながらこう言った。



「この世界を魔法と冒険の世界にするかどうかはマリー次第だよ」


と。



一言だけそういうとすぐに青年は透明になって消えていった。





消える直前、青年に腕を絡める黒っぽい服を着た巨乳の美女がこちらに向かってウインクをしたのが見えた気がした。









「····変な願いごとしたらダメって言ったのに···それに、ふたりとも色々欲張りすぎだよ···」




私は頬を流れた涙を袖でぬぐって勢いよく立ち上がると、落ちたフォークもそのままに大きな鞄にあれこれ詰めだした。





別に、何かやりたいわけじゃない




不思議な何かが起きるかも、


なんて、



思ってない




期待してない







海でも見に、ちょっと旅に出てみようかなって、




そう急に思っただけよ。












ガチャ…




…パタン











おしまいける

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