第1話 凡人高校生にも人生の転機アリ?
初投稿です。これからよろしくお願いします。
眼をあけると、いつもの朝の目覚めの嫌な感じがしなかった。
今日は珍しく、目覚めの良い睡眠だったのかと思いながらスマホを開くと時刻は8時40分だった。
そう、学校の朝のホームルームはもう始まっている。寝坊したのだ。
衝撃だ。トイレの大をして、トイレットペーパーでお尻をふくと何も紙につかなかったときぐらいの衝撃だ。
仕方ないので遅れて学校行くことにした。
どういう言い訳をしようかと考えながら登校しているとき、「川瀬!」と後ろからトーンの高い声が聞こえた。
正直誰かとは分かっているのだが聞こえないフリをした。てか、そもそも川瀬って誰だよと思うかもしれないが。
俺の名前だ。俺の名前は「川瀬 新」 ありきたりなごくふつうの名前だ。 しかし逆に考えると普通より良い物は無いとおもう。
クソみたいなキラキラネームよりはマシだろう。
こんな話は置いといて、なぜ聞こえないふりをしたかというと、彼女の名前を覚えていないからだ。
入学式から1か月、クラスの人の名前は大体覚えているのだが なぜか彼女の名前は覚えにくかったからなのか、あやふやにしか覚えていないのだ。
彼女が小走りで追いついてきた。そしたら彼女が「もしかして私の事覚えていないの?」と喋りかけて来た。
これは本当にヤバイと思った。彼女が普通の女子だとしたらまだしも、それが見つめたらキュン死しそうなくらいの美少女なのだ。しかも俺様キャラ。
あ、女子の俺様キャラは女王様だっけ。と脳内で思っていると「私の名前は綾野 実華 きちんと覚えておくのよ。」と意外と素直に名前を教えてくれた。
「あんたも寝坊したの?」 うん。とうなずいた。「ダッサいわね」 いや、お前もだろが。と言いたい所だが今の時代はグループLINEで愚痴られる時代なので逆ギレされるような事は言わなかった。
あのような話に合わせながらも、なんとか学校に到着した。ちょうど国語の授業の時間だった。
さすがに2人一緒に教室に入ると何か思われそうだったので、俺は職員室に用があると綾野に嘘をついてから遅れて教室に入った。
****
昼食の時間だ。「おーい新 昼ごはん食べようぜ!」と俺の友人 和氣 雪之丞 が話しかけてきた。この友人は唯一の友人である。中学の時の友人達はもうすこしレベルの高い高校へ入学してしまったので
高校で初めてできた友人しかいないのだ。なんとなくハブられた気分だが、今はそれなりに楽しいので気にしていない。
「そういえば新はなんのクラブに入るか決めたのか?」と雪之丞が卵焼きをお箸ではさみながら言った。「まだ決めていないなあ」と俺が言うと「確かお前ってギターやってたよな?」と言う雪之丞。
なんとなく予想はできた。多分、軽音楽部やバンドのお誘いだろう。ちょうど俺もバンドをやりたかったので食い気味に「そうだけど?」と言うと、「それは良かった! 俺のいとこの兄のバンドのギターが
さあ、脱退しちゃって ギターの上手そうな人がいたら誘ってみてって言ってたから、良かったら入らない?」と雪之丞が少し嬉しそうに返してきた。しかし、入りたいのは山々だが、みず知らない人のバンドに入るのもなんだかなぁ
と思っていたその瞬間。「実はそのバンド、SHABBYNOISって言うんだけどさ」と彼が言った時、俺は驚いた。例えるなら地上波の番組で水着女性がポロリした時くらい驚いたね。
何と言ってもそのSHABBY NOISEというバンドは1年前に大晦日の紅白歌合戦にデビュー8か月で出演していたのだ。ま、それからはテレビであんまり見なくなったんだけどね。
しかしテレビにはあまり出なくなったと言っても、そこそこ曲は売れているのでこれは入らないと損かと思い、迷いもなく俺は「入る!入りたいです!」と言った。
すると彼は少し申し訳なさそうな顔で「忙しいよ?土日なんて暇じゃないし、最悪、平日も普通に仕事あるからね」と言った。
俺は思いっきり忘れていた。これは悪魔でも仕事だと。決して素人の趣味では無いと。
ということで俺はとりあえずこの事を保留にしておいた。
****
放課後。俺はまだ何の部活にも入っていないので、すくすくと校門を出た。帰り道には塾のチラシを配っている人達がちらほらといる。
授業で疲れ切った体を歩かせながらも、最寄り駅に着く。
自動改札機にICOCAをかざして、いつものホームに並び、電車に乗る。 ガタンゴトン......ガタンゴトン...... いつもの聞きなれた音と見慣れた景色に揺らされながら家に帰る。
駅を降りるとそこからまた10分ほど歩かなければならない。駅の近くに住みたかった.....と思いながらいつも帰宅する。
部屋で制服を脱ぎ、ジャージを着ながらリビングに向かう。机の端っこに置いてあるテレビのリモコンでとりあえず夕方のニュースをつける。すると「SHABBY NOISE ギター脱退 ナゼ」という話題を、胡散臭いジャーナリストが語っていた。
確かにナゼ、ギターが脱退したのか今まで気にもしていなかった。 こういう事は考えると良くないことばかり連想するので、番組を変え、疲れ切った体をアニメで癒した。
つづく
最後まで読んでいただきありがとうございました! 次回を待ってくださると嬉しいです!