表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
花を連ねる者が天を目指す  作者: フラワーガーデン
第2章 心象学園入学
4/6

クラス

すいません遅くなりました。

『クラス分け表ってどこだ?』


そう思いながら花蓮はキョロキョロして、周りを見ていた。

しかし、体育館はとてつもなく広いのでクラス分け表らしきものは見当たらなかった。

なので、花蓮はクラス分け表自体を探すのではなく、人だかりを探すことにして、もう一度周りを見渡した。

結果から言うとすぐに見つかった。

花蓮の目に写っていたのは、甘いものに群がる蟻のごとくうじゃうじゃと沢山の1年生で溢れかえっていた。

まさに、〝人ゴミ〟という言葉が相応しいだろう。

そんな光景を見て、憂鬱な気持ちになりながら少しずつゆっくりと足を人ゴミに向けた。


『俺はどこだ?』


と思いながら目を凝らして表を見ようとしてみたが、案の定人が壁になって全く見えない。


「やっぱり、見えないか……ん?」


………ザッ


そう呟いただけだった。

ただの独り言だ。

誰かに言いたかったわけではない。

なのにも関わらず、花蓮の放った言葉は言霊のようにそうしなければならないように自然と周りの人の体を動かせた。

人ゴミでできた壁が一気に裂けて、クラス分け表の下まで直進するだけで行ける真っ直ぐな道ができた。

花蓮はシンプルに驚いた。

ただの独り言でこうなるとは誰も思いもしないだろう。


「…ありがとう助かる」


花蓮はここで礼を言わないのも、かっこ悪いと思い、素直に礼を言った。

そう言いながら、道を通っていると、後ろで1人また1人また1人とバタバタと倒れて行く音がした。

花蓮は気づいていたが、わざわざ見るほどでもないと思ったので無視して進んだ。

直進するだけだったのですぐにクラス分け表の下まで着いた。


『俺の名前は……あった』


花蓮の名前はすぐに見つかった。

なぜなら、1番左の1番上、つまり主席である。

しかし、花蓮にとって主席などどうでもよかった。

クラスの方がよっぽど気になるのだ。


『クラスはっと…Sクラスか』


この学園は実力主義であるのでクラス分けも実力順で上から組まれている。

記号で表すと、S→A→B→C→D→E→F、まだある。

Sクラスはごく限られた人数しか入ることができない。

その数、学年ランキングトップ10、だけである。

いくらイケメンだろうが可愛かろうが、優しかろうが、この学園は全て実力で決まるのだ。

全てが。


Sクラスに入るのはなんとなくわかってはいたが、クラスは関係なく友達を作って仲良く学園生活を送っていこうと思っている。

これからの学園生活に妄想を膨らませて、ワクワクしながら自分用に作られた道をまた通った。


「ありがとう、これからよろしくな」


と、全力の笑顔で道を開けてくれた人たちにもう一度礼を言って寮への帰路に着いた。

どうでしたか?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ