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枕の下に 希望の上に(4)

ナノ明度

小さな小さな

歌声が聞こえる

明日の行方を

探すように

光が見えないのか

ピアノの伴奏は無い

小さな小さな歌声だけが

家に近づくと

聞こえてくるよ




新聞を

玄関に近いポストに入れると

今日もまた

聞こえてくるよ

だけど

今日はなんか

元気がない

二階の窓

カーテン越しの薄明かり

震えている歌声

もしかしたら

泣き声




小さな小さな

歌声が聞こえる

昨日の在り方を

探すように

後悔を読み上げてる

ピアノの伴奏は無い

小さな小さな歌声だけが

一人分の箱の中だけで

響いている




今日も

新聞をポストへ入れる

昨日と違い

何も聞こえない

二階の窓

明かりは無く

カーテンすら分からない

もしかしたら

冥する声




小さな小さな

歌声が聞こえる

今迄の理由を

殺すように

心を粉末にしている

ピアノの伴奏は無い

小さな小さな歌声だけが

誰にも寄り掛からず

響いている




原付バイクのライト

今日も新聞を配りながら

何時ものように通り掛かる

赤いパトランプと白い車

走って行くと

遠くの方で音を鳴らす

誰かが倒れたのだろう

ポストまで行くと

制服警官と診療所の白衣

「病院で・・・」

それ以上は聞かなかった




小さな小さな

歌声が聞こえない

変わる一部分を

素通りするのは

関係無いから

あなたの存在は無い

小さな小さな歌声だけが

イヤーワームのように

聞こえてくる

あの時の歌声で










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