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COLOR  作者: D−Dream
65/67

第65話

 ギアが右に動くと、それにあわせてポーンは球体を右へ。ギアが左に動くと、それにあわせてポーンは球体を左へ。

 ポーンの持つ槍はすぐに防御に回せるようにか、地面と平行にされたままだった。ポーンは目以外、微動だにしていたい。

《Grrrrr……》

 獣は狩れないことを悟ったように、その場に留まる。不信に思いつつも、攻撃を仕掛けない。

 妙な緊張感を持った沈黙が続く。

 ギアに攻撃されてしまうのではないかと、距離をとっていた2人は同時に息を飲んだ。

「……っ!」

 気配のようなものを感じたのだろう。ポーンは横へと飛び退く。

 つい先程まで立っていた場所に、サイで作られた牙が突き立てられた。巨大な獣の口がポーンを飲み込もうとしていたのだ。

 そのことに気をとられたポーンに、ギアが近づく。

「っ……」

 球体を動かして、ギアに対してプレッシャーをかける。

「……いつまでも、こんな戦い方してちゃもたないカ。獣に堕ちても(・・・・)、サイを使うくらいの知能はあるみたいだネ」

 槍を地面にトンとつける。ポーンは息を吐きながら、集中しはじめる。

 まるで陽炎。そう言いたくなるほどに、ポーンの回りの景色は歪み始めた。信じられないほどの高密度なサイが、信じられないほど大量にポーンの回りを取り囲んでいた。

《Grrrrr……》

 そのサイに気圧されたのか、ギアが唸り声をあげた。距離をとるように、ゆっくりと後退もしている。

「さぁ…… 本番ダ」

 サイの人形がポーンを囲むように、2桁以上並んでいた。


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