第6話
スッと、1人手があがった。蒼だ。
「じゃあ、1ついいですか?何故、何人もいるサイ使いの中から僕が選ばれたんですか」
「まあ、選ばれ方は2つあってな。色別でサイ使いの中のトップが選ばれるか、スピリットがついている人に勝つかだな」
「蒼さんの場合は、トップとして3人の中から選ばれました」
「3人……」
「ですが、強さの度合いは蒼さんが100%だとすると、残りの2人は10%未満です。それと、エレメンタルとの契約のことですが。私と戦ってもらいます」
一瞬、蒼の動きが止まった。
「は?」
「時間が無いんです!! ……いいですか、もう1度言います。私と戦ってもらいます。これは、天空法律109条に定められています」
ウンディーネが懐から分厚い本を取り出し、パラパラとめくり始めた。
「あった……。『第109条 何者かを配下に置くには、戦いで勝利しなければいけない』エレメンタルとの契約も、配下におくことと同じです」
読み終わると、懐にしまった。そして、青い棒を作り出した。
「相手の武器を破壊すれば勝利です。ノーム、審判をお願いします」
「ハイハイ」
「はいは…… はぁ。何回言っても変わらないんですよね、もういいです」
「じゃあ、武器を用意して」
いつもと同じ武器を作り出す。というより、僕はこの武器と盾しか作れない。
「準備はいいな? 勝負始めっ!」
ウンディーネは、棒をまわしながら上から下におろしたり動かしてる。
「水よ…… 強き力を持つ新たなる主を定めよ…… レインフィールド!!」
ウンディーネの周りから、まるで津波のように出た水がぶつかり合って徐々に上に向かっていく。そして、水が上から降り始めた。ジュウと、何かが溶ける音がして左手を見た。
「サイが…… 溶けている……」
「この雨は、サイを溶かします。この状況の中で、私の武器を破壊してください。ちなみに、私の武器はサイで無い限り破壊できませんし、サイもどきなので雨の影響を受けません」
「どうすれば……」