第58話
フワリと舞うブロンド。キラリと光るレモン色の太刀筋。青い瞳が鋭く光る。
その対面には、両腕に青い鉤爪を着けた少年、柄の長い斧を持つ青年、青い三節棍を持つ女性の3人。
「ウフフフ……。そこの銀髪…… 銀介だっけ? COLORの本部をぶっ壊したんですってね」
「んなっ!?」
ビショップの動きはゆったりしていて、接近戦なれしている3人は軽々と避ける。最初に銃を作り出したことから、やはり接近戦は苦手だったのだろう。
しかし、それを補うかのように相手の弱味を言葉の槍として放つ。その言葉で動きが止まった相手を的確に狙っていく。
「蒼、あなた、記憶がないのよね? 自分が何者か、怖くなったりしない?」
「!?」
周知の事実となっている心の傷だけでなく、誰も知らないであろう心の中まで。――どんなことでも、言い当てる。
フワリとビショップの白く見えるほど淡い水色のワンピースが舞う。
「ウンディーネね、あなた? “予言の書”をのぞき見して、呪いを受けた気分はどう? 1度、エレメンタルに聞いてみたかったのよ。スピリットじゃ、話しできないしねぇ」
「! なぜ、予言の書のことをっ!?」
「危ないっ、ウンディーネ!」
「きゃっ」
思わず立ち止まったウンディーネめがけて、ビショップのレイピアが伸びる。肩を押すことによって、その攻撃を避けさせたのは蒼だった。
ビショップは攻撃のために伸ばしていた腕を戻し、休めの姿勢をとる。話をする心持ちのようだ。
「なぜ? 企業秘密よ。ウフフ。……でも、今日は機嫌がいいから教えようかしら?」
サラリとビショップのブロンドが揺れた。