第56話
「俺たちはこっち。エリーたちはあっちを頼んだ」
銀介は指差しながらそう言うと本当に真面目な顔になり、1組織の司令塔らしさを見せる。
「絶対に死ぬな。これは命令だ。……健闘を祈る」
「……プッ。銀介らしくないよ、そんな言葉」
「いやー。こういう司令官っぽいセリフ言ってみたかったんだよね」
いつものおちゃらけた銀介に戻って、そんなことを言う。
「私たちは大丈夫。そっちこそ、死なないでよ?」
エリーが軽く笑いながらも、そう言う。うなづいた銀介は、再び真面目な雰囲気で返す。
「大丈夫。絶対に助けよう」
「……何もないな。扉だけじゃない、窓すらないなんて」
軽く廊下を走りながら、銀介が声を上げた。
その疑問も当然なものだろう。建物に明り取りとしての窓すらないのだから。
疑問を抱えながらも廊下を抜けると、少し広めなスペースへと出た。まるで、そこで戦闘をすることを想定していたかのように、置かれている装飾品類は壁際へと固められていた。
「こんにちわー。COLORのお3人さん」
――そして、1人の女が待ち構えていた。
金髪に青色の目。薄水色のワンピースを着た彼女は、椅子の背もたれに座ってヒラヒラと手を振った。椅子から降りると、ペコリとお辞儀をした。
「あたし、ビショップっていうの。クイーンから、「倒してきて」って言われてきたんだー」
「桃香が……。やっぱりか」
銀介のつぶやきは誰にも拾われず、宙へと消えた。
刹那、ニコニコと笑顔だったビショップの表情がガラリと豹変する。
「戦おうよ。3対1でもいいよ、あたし、勝つから」
どうしましょう、またもミス発見です!
44話にて透し見していたのはビショップなのですが、どこでどう間違えたのか、本来はクイーンの仕事だったんですねぇ。直しましたが、間違えるなよ自分て感じです、はい。以後気をつけます。
こんな作者ですが、これからも『COLOR』をよろしくお願いします。