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COLOR  作者: D−Dream
54/67

第54話

 魔法陣で転送された先はどこかの城らしい1室。

「ここは…… サイで構築された城なの?」

 エリーが城の壁を見て、つぶやいた。

 ここの壁をよく見ると、いくつかの色が反発しあって、ぐるぐると渦巻いている。遠目からは灰色なのだがその独特な色合いから、サイで作られた物だと判断できる。

「これ、どう考えても1人で作った(もん)じゃないよな」

 サイを使うには集中力を要する。とてつもなく大きな物――例えば城のような建築物――をたった1人で作ることはよほどの才能がない限り、無理難題である。そして、使われている色。全部の色が壁に使われている。

 大抵のサイ使いは1色しか持っておらず、持っていても2、3色である――虹のサイを除いて。複数色の持ち主はメインカラーとサブカラーに別れているが、虹のサイは9色全ての色を平等に扱える。ただ、存命している虹のサイ使いはいないとされている。

「すごい……。すごいけど、感動してる場合じゃない。黒夜叉と白阿修羅を探さないと」

「はい」「ええ、そうね」「おう」「そうだな」



「ぐっ……」

「玄っ……!」

 玄が例の左目を押さえて、うずくまった。肩で息をしており、辛そうの一言で言い表せる。

「大丈夫……。急に左目がうずいただ……け……ん!?」

「どうした?」

 驚いた表情の玄はその手を下ろした。獣のように細長い瞳孔は、大きく見開かれている。

「今、多分銀介がその扉を開ける映像が見えた……」

 玄は「ありえない」と言いたげな表情をしている。その瞳に写った銀介は、玄が記憶している昔の――髪の短い頃の銀介だったからだ。

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