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COLOR  作者: D−Dream
51/67

第51話

 虚ろな目をした銀介が、その手に持った斧で切りかかる。

 仕方なく、ギアも爪で応戦する。それに対し、銀介は通常より長めに作られた斧の柄で受け止める。

 虚ろな表情のまま、何かをつぶやき続ける様はまさしく操り人形であった。

「……ぉす」

《?》

 銀介の口から少し大きな声がこぼれた。大きなといっても、あくまでつぶやきの範疇だが。

「……倒す……」

 つぶやきに合わせるように、斧がふるわれる。

 とっさに身をひるがえし、ギアは避ける。金色の毛が宙で散る。

《かすったか……》

 宙から地へと毛は移動する。ギアは視界の隅でそれと切られた部分を確認すると、銀介を鋭く見る。

《オレの毛並みを乱すなんて…… 許せねぇ……!》

 低いうなり声。それは獣特有のグルルというのどの音。――ギアの静かな怒りを表したような、そんな音。

 ゆらりゆらりと近づく銀介。それに対し、ギアもゆらりと動き始める。

 ジリジリと双方の距離が縮まる。

 しばらくの沈黙――静止とも言うべきか――の後、先に動いたのはギアだった。

 獣の叫び声。その反響が森に響き続いている短い間。その間に、銀介の背後へと回り込み、強烈な一撃を加える。

 “仲間”であるため斬撃ではなく、打撃であった。鋭い爪ではないが、力任せに速度にのせて放つ拳はそれ相応の威力がある。

 銀介はゆっくりと地に伏せた。

《さぁ……》

 ギアは樹の方にに向き直る。

《次はお前の番だ?》

 枝の上のルークはニヤリと笑みを浮かべた。


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