第48話
金色の毛並み。凛々しく立つ獣。
それがギアの立っていた位置にいる。
「お前……? ……! 半獣族か!」
《……ああ。呪われた一族の末裔だよ》
響いてきた声は、ギアのそれそのものであった。が、ほとんどの人は耳慣れない言葉に首を傾げ、それを気にしていなかった。
「過去にとある罪を犯した。その罰として子孫に時々表れる呪い。その呪いによって、人でもなく、獣でもない存在とされてきた一族だよ」
《ああ。……それがオレの一族だ。今は人と獣を自由に往き来できるが》
金色に輝く毛並みが風になびく。その金色に包まれた顔が少し、厳しくなった気がした。
「でもラッキーだったよ。そんな面白いヤツと戦えるなんて」
マインゴージュで顔を隠すように持ち上げて、ニッと笑みをこぼす。心底楽しみで、笑みを我慢できないといったところか。
ルークはギアの後ろに――蒼たちに手を出すなとでも言わんばかりに――サイで釘の連なったようなバリケードを作った。
「さあ、戦おうか!」
ギアが低い唸り声を出す。その声によるものか、ギアは闘気に包まれた。
それを見たルークがククッと笑う。そしてマインゴージュの盾部分をサイで大きく強化した。ついでに例のマークも盾に刻まれた。
ギアが大きく跳躍し、その勢いのまま爪をふりかざる。当のルークはマインゴージュの盾部分で攻撃を受け流す。
攻撃を向こうに押しやると、剣部分で斬りかかる。ギアはそれを横に飛び退けて避ける。
着地した反動で、再び切りかかる。それをルークが……。
そんな攻防が続く。……が――