第44話
「どうやら、こっちの準備が整う前に気付いたようだわ」
「どういう意味だ、そりゃ?」
ルークはクイーンに問いた。
「そのまんまの意味よ」
ニッコリとクイーンは笑みをたたえた。
「あたしの透視見だって、そこまで性能は高くないわ」
「そーですか。……なんだその目は」
ルークはクイーンの公園の段ボール箱(貼り紙付き)に手をかけながら「拾って」とでも言わんばかりの仔犬の如き目を見て、後ずさった。しばらくして、観念したように息をはいた。
「わぁったよ。いきゃいいんだろ、行けば」
「あら、私は何も言ってないのに自主的に足止めに行ってくれるなんて、いい子ね」
クイーンは計算通りといった笑みを浮かべた。今にも声を出して笑いそうに口許を押さえている。
「で、いつまで足止めすればいいんだ?」
「ムー大陸の中央! 結界の中心!」
「うおっ!? いきなりどうした、蒼?」
声を荒らげた蒼に、銀介の長髪が揺れた。
「何かがよぎったんですよ! とにかく、そこに行ってみる価値はあります」
銀介たちは蒼の言葉に顔を見合わせた。しかし、他に何も策が無いので却下出来る者はいなかった。
「分かった。ギア、ムー大陸の地図は持ってるか?」
「部屋にあるガ」
そういって、ギアは部屋を飛び出した。
ちょっとして戻ってきたギアの手には軽く色あせた紙があった。四隅には画ビョウで開いたと思われる穴が開いている。急いでいたのか、そのうち1つに画ビョウが引っ掛かっている。
「これだガ」