表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
COLOR  作者: D−Dream
42/67

第42話

 白狐が思い出したように、声をあげた。

「あ、私のカバンある? 中にカップケーキあるんだけど」

「ああ、確かこっちに……。これか?」

 玄が取り出したのは、綺麗にラッピングされたカップケーキ2つだった。

「そう、それ」

「いいのか? これ……誰かにあげるつもりだったんじゃ?」

 どう見ても、プレゼント用のラッピングだ。白狐に似合わないピンクのリボンに、可愛らしいシールまでついている。

「銀介にあげるつもりだったけど……。いいの。食べないともたないでしょ?」

 玄は白狐の目を見て、少し考えて、こう言った。

「そうか、分かった。ありがたくもらうよ」

 ラッピングを外し、中のカップケーキを1つ白狐に手渡した。自分はもう1つのケーキを口へ運んだ。

(私も食べなきゃ怪しまれるな……。腹くくって食べるか……)

 白狐もケーキを口へと運び始めた。

「ありがとう。美味しかったよ」

「カップケーキは作り慣れてるから……」

「え!? 手作りだったのか!?」

 お店の物と勘違いするほど、カップケーキは美味しかった。人には意外な才能が隠れている時もある。


(銀介にって……。なんなんだよ……)

 普段と変わらない態度を保ちつつ、玄はそう思っていた。

「……ねぇ」

「ん?」

 白狐から話しかけてきた。なにか、言いにくそうな表情だ。

「変な感じがしたら、言ってね? 特に……目とか」

 「は?」と言おうとしたとき、玄の目が急にうずき始めた。マンガ並みにすごいタイミングと思いつつ、玄は口を開いた。

「タイミングばっちり。めっちゃ、変な感じ」

 苦笑いの表情がなんともいえなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ