第39話
「よーっす。ただいまぁ」
その男は軽々と大人2人を肩に担いで、ドアを蹴って開けた。肩に担いでるのは、白髪ツインテールと黒髪の男だ。ついでにその男を支えている側の手で、猫とも犬ともつかない生物も押さえている。
「おつかれ、ルーク。……そのおまけは何?」
腕を組んだまま、ルークを一瞥してクイーンはぶっきらぼうに言い放った。「おつかれ」の裏に「当然でしょ?」というニュアンスが漂っているが。
「伝達役は必要だろ? 早めに片付けたほうがいい。よっと……。頼むぜ、クイーン」
肩から3人を降ろしつつ、そう答えた。2人を壁に体を預ける体勢になるようにさせる。
「ああ。このスピリットはどうする?」
「エレメンタルにしたほうが、術はかけやすいわね。キングを呼んできて」
クイーンはサイで何かを形作っている。時折呪文のようなものも唱えつつ作っているので、傍から見ると怖い。
しばらくして出来上がったものは、片手で持てる大きさのハープだった。白と黒のサイしか持ってないはずだが、ハープには桃色の線や水色の線など別の色も混じっている。
「つれてきたぞー」
扉が開き、意気揚々とルークが入ってきた。その後ろにキングの姿もある。キングはノームの傍に膝をつき、軽く手をかざした。束ねられた横髪がちょうどキングの顔を隠す。隠されて分からないが、心なしか笑っているように見える。
「……なるほど。たしかに珍しい。これをエレメンタルにすればいいのだな?」
そう言うが早いか、早速呪文を唱えだした。唱え終わると同時にノームの姿が変わった。
「ありがとうございます。では……」
クイーンは出来上がったハープを演奏し始めた。