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COLOR  作者: D−Dream
30/67

第30話

 意識が戻った私が見たものは、虹色に輝く巨鳥と主の姿。巨鳥のせいか、いつもと雰囲気の違う主。

「……」

「!……」

 何か会話しているようだが、二人が何を話しているのか聞き取れない。かろうじて聞き取れたのは、会話の最後だと思われる主の言葉。


「消えろ」


 その言葉をきっかけに、巨鳥が動き出した。きらめく体を大きく動かして、敵へと向かっていく。

 ――そこで、私の意識は再び途絶えた。



「どうして……?」

「……別に。疲れただけだ」

 そういって、(クイーン)の足の辺りのサイを消した。いや、“消えた”といってもいいのかもしれない。この会話の前の出来事は、よく分からない。止めを刺そうと動いたはずの巨鳥が、クイーンの目の前で掻き消えるように(かすみ)と消えた。平然を装っているが、内心動揺している。太陽の光が、サイの粒子に反射してきらきらと輝いたことが頭に残っている。

「力の差が分かっただろ? 分かったらさっさ……と……行……け……」

 そういうと、蒼は力を失ったように倒れた。

「蒼! (ツッ)!」

 動かない体に喝を入れて、蒼の元に移動した銀介はキッとクイーンをにらんだ。当のクイーンはやれやれと肩をすくめると、背を向けてどこかに歩いていった。「強大な力の代償は大きいわよ」そういい残して。

「ウンディーネ」

 呼びかけで意識を取り戻した彼女は、ゆっくりと立ち上がった。

「無理するなよ」

「大丈夫です。大丈夫…… そんなことよりも……」

「ん?」

「あ、いや、なんでもないです。気にしないでください」

 ウンディーネの手遅れかもしれないという思いは、知らず知らずのうちに大きくなっていた。

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