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COLOR  作者: D−Dream
28/67

第28話

 意識も飛んで、微かに2人が戦っている音だけが妙に頭に響いていた。その音もだんだんムチの音だけが聞こえるようになってきていた。


「く……。か……はっ……」

「うふふ。もう限界でしょ? 動きが鈍っているわよ」

 2人はその長い髪を風になびかせていた。男のほうは、すでに体力が尽きたようだった。距離をとり、息を落ち着かせる。しびれる右手を押さえて、周りの状況を確認する。

 ウンディーネはクイーンの近くで倒れたままで、蒼は木に体を預けたままだ。2人とも意識は戻りそうに無い。敵は笑みを浮かべながら待っている。

 しばらく経つと、同じ表情のまま銀介のほうに歩いてきた。ムチを黒く変え、ゆっくりと楽しそうに近づいてくる。

「やっぱり、最後はメインの色で締めるべきでしょ? ウフフッ」

 クイーンが止めをさそうとした時、2人の間に何者かが割り込んだ。その何者かは、青い目でその青い髪の間から敵をにらみつけていた。

「邪魔よ。あたし、弱いやつは嫌いなの」

「……」

「何? 聞こえないわよ。もっと、はっきり言いなさいっ!!」

 黒いムチが空を切り裂いた。が、途中で止められた。

「俺の仲間に、手ェ出すんじゃねぇよ……。躊躇(ちゅうちょ)無しに切り裂くぞ?」

 その声はいつもの蒼のようで、いつもの蒼ではない口調だった。

 そして、黒いムチは蒼がとめている所から消えていった。それと同時に、黒いサイ(・・・・)が蒼の腕を覆った。いつもの蒼の武器ではなく、指のほうで5つに分かれていた。完全に覆われたあと、今度は赤色で模様が刻まれた。

「来いよ。相手してやるぞ? 強いやつは好きだろ?」

 そういうと蒼は、蒼らしくない笑みを浮かべた。

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