第27話
ガキンと、何かがぶつかる音がした。見ると、後ろにいたはずのウンディーネが消えている。
「あら、なんて血の気の多い……。ダメじゃない、あんたの所有物なら、鎖に繋いでおかないと」
ウンディーネの攻撃を素手で抑えつつ、彼女はにっこりと微笑んだ。
「何でお前が、こんなところにいるんだ……?」
「銀介……さん?」
こぶしを震わせ、睨みつけるように目の前の人物を見ている。
彼女はウンディーネから武器を取り上げ、そこら辺にポイと投げ捨て、ウンディーネを蹴り飛ばした。
「何でって? そりゃぁ、ねぇ」
黒色のサイでムチらしきものを作り出してから、答えた。
「あんたを倒すために、ってところかな?」
そういってムチでさした。銀介ではなく、蒼を。
「あたしはクイーン。全を統べる最凶で最高な伏兵」
次の言葉は、耳元で聞こえた。
「ごめんなさいね。お楽しみは先にいただく主義なの」
パシンとムチの音が響く。強い衝撃とともに、後ろにぶっ飛ばされる感覚。そのまま体を木々にぶつけ、意識がもうろうとする。
「あら、意外と弱いのね? ぜんぜん、本気を出してもいないのに」
くすくすと笑う声がする。
「まぁ、いいわ。久々に、遊びましょうか? 蹴り鬼くぅん?」
「何年ぶりだろうな? いいさ、今度こそ倒してやるよ」
サイで武器を取りだす。柄の長い斧。クイーンは、その斧を一瞥すると言い放った。
「へぇ、武器を使うことを覚えたんだ? じゃぁ……」
クイーンの白いムチが、銀介の斧に巻きつく。
「同じ色で力が上回れば、こんなことができるって知ってた?」
「まだ、2色のサイを使えるのかよ……」
懐かしいものを見た銀介の持つ斧は、ムチの巻きついたところからその形を失い始めていた。
「次回予告!!
『蒼が蒼じゃない!? 2人を引き裂く悪魔のささやき』
お楽しみに!」
「銀介さん……。ちょっと、いいですか?(怒)」
「すいませんでした……」
すいません、ちょっとした出来心です……。この小説は、後2話分ぐらいストックができているので、つい……。すいませんでした。