第15話
「……で、その多重人格者のマックスとか言うのが、ヒカリのカケラのことを光角と言っていた。そして、戦いを挑んできた。って、ことでいいのかな?」
「まぁ、大体は……ですガ」
ボコボコにされて顔がすごくはれている銀介に、大体の事情を話した。
「マックスは、1つの人格でいるために常に仮面をつけていました。その仮面が、戦闘の時につけていた仮面と同じものでしたガ」
「その…… マックスさんは、ほかの人格になったことがあるんですか?」
ギアは、ちょっと考えてから口を開いた。
「確か、1度だけ。オレが、大怪我を負って動けなかったときガ。後から聞いたことだガ、いきなり仮面が砕け散って暴走したらしいガ。手がつけれなくなって、殺されたとか。殺される直前に『僕はポーン。無限の可能性を秘めた兵士』と、名乗ったらしいガ」
「その人格だけが…… 生き残ったか……」
「そ、そんな事もあるんですか!?」
「あの…… ちょっといいですか?」
ウンディーネのちょっと怒っているような感じの声が聞こえる。
「何?」
「こんなシリアスな話をしているのに……何故、BGMは流星☆ハ▽◆○どか※@$%ー!!」
思わず、沈黙が流れる。沈黙を破ったのは銀介だ。
「へー。ウンディーネって、活舌悪かったんだ」
「うん。1つ目の曲名も後半言えてなかったしね。わかる人にしかわからないよ」
「だっまれぇーいっ!!」
顔を真っ赤にしながら、ウンディーネは叫んだ。(吠えた?)
「はずくねぇのかよ……」
「はずいわー!! ボケー!!」
「えぇー!!」
「とりあえず、さっきの話に戻ろうか」
優雅に紅茶を飲んでいる白阿修羅と、ウンディーネ以外の皆は頭にたんこぶを作りながら今後の作戦のためにミィーティングに参加した。