第14話
「もしかしてって、知り合い…… ですか?」
少年のほうから殺気が、風となって斬りつけてくる。
「蒼、ワープ装置のところへ走れ。あいつは…… あいつは……」
何回も戦闘を経験したギアが震えている。
「あいつは、オレ…… いや、COLORのメンバー全員が束になっても…… 敵わないガ……」
「そんな強敵が、居るはず…… 無いのに……」
ところ変わって、COLOR本部。
「銀介さん」
「ん? ウンディーネか? 何か用か?」
ウンディーネが銀介に歩み寄った。そして、
「何で、私に何も言わずに蒼を仕事に行かせたんですか?」
と、かなりのオーラを出しながら言った。
「あ、言い忘れてた。あっはっはっはっ!」
「……ちっ、能天気野郎め……」
「はっはっ……え?」
「どうしタ? こないノ?」
シンプルだがどこか特徴的な仮面をつけ、じりじりと武器を手に歩み寄ってくる。
「ギアさん、先に行っていてください。少し、時間を稼ぎますから」
「いや、オレが……残る。本気出すガ!」
「でも」
ふわっと、ギアを中心になぜか地面のほうから風が吹いてくる。
「本気なら……」
「こないのなら、こっちから行くヨ」
「なっ!」
物凄い速度で、向こうから迫ってきた。武器を出すのも間にあいそうに無い。もうだめだと身構えたとき、後ろのワープ装置のあたりから青色の棒が飛んできた。
「早くこちらへ!! 早く!!」
この声は、ウンディーネ。助けに来てくれたようだ。
「ギアさん、行きましょう」
ギアの手を引っ張り、ワープ装置に向かって駆け出す。逃げる間、ウンディーネが援護してくれた。ワープ装置に駆け込むと同時に装置の扉が閉まった。
「大丈夫でしたか?」
「あ、ありがとう。たすかったよ」
「間に合ってよかった」
「でも、どうしてここに?」
「私に黙って任務に行かせたから、銀介さんを数発ぼこって援護に。場所なら、大体分かりますから」
(数発ぼこって……)
ウンディーネを怒らせてはいけないと思った、ギアと蒼でした。