第11話
「まさか…… ねぇ……」
「しょっぱなから出会うなんて…… 夢ですよね? コレ」
トカゲのような体だが、ヒカリのカケラのような不思議な黄緑色の光を発している。かなり大きく恐竜のように思える。幸運なことに、向こうはこっちに気づいていないようだ。
「ギアさん。こっちに気づいていないみたいです」
「ああ、やっぱ先手…… 必勝だろうガァ!!」
そう叫ぶと、素早くとびだした。……奇襲の意味がない。
「いっけぇーーーー!!」
パーのように、指を広げたギアさんの手の甲には大きな手裏剣のような物ができていた。両手の黄色の手裏剣を構えると、高速で回転し始めた。そして、そのまま怪物を斬った。斬ったところから、ヒカリのカケラのような光が漏れていた。
「っしゃあ!!」
「すごい…… 一撃で…… なぜ分かったんですか?」
「勘! ……ほら、持って行くガ」
ギアさんが、ヒカリのカケラを持って去ろうとするとどこからか声が聞こえた。
「あーあ、ボクのオモチャ。まーた、壊れちゃった。どうしてくれるの? これ」
ペロペロキャンディーのような棒つきの飴をなめている少年が木の上に座っていた。
「何者ガ?」
「キミ達は知らなくてもいいことだよ」
そう言い放つと、スッと僕たちに飴を向けた。
「そんなことよりさ、それ。返してくれない? また1から創り直さなきゃいけないし。光角って、力が強いモノだからあげるワケにはいかないんだよね」