第10話
(銀介さんが大丈夫って言って大丈夫だった記憶が無いんですけど……)
「で銀介さん、怪物の居場所って何処ですガ?」
仕事の話に流れを戻す。
「え〜〜〜と…… あった」
机の上から地図を探し出し、机の上に広げる。そして、トントンと人差し指で地図の上を叩いた。
「ここ」
「う…… 海?」
「ま、一般の地図の場合はね」
銀介が叩いた場所は、日本から南。つまり下の方にある海。
「ここはね、1つの大陸があるんだ。いつもは、ループの魔法がかかっていて普通の人はすりめけてしまうだけなんだ。でも、ここに怪物があらわれてね。その種族は、魔法系のものには触れれない種のはずだった。でも、コイツは、ループを破壊したんだ。ありえない力を持ったということは、ヒカリのカケラを体内に取り込んだ可能性が高い」
「!! だからか……」
ちょっと大きめのビー玉のようなガラス玉を銀介が取り出し机の上におき少しだけサイを発動した。ダイヤモンドダストのようにキラキラと光を反射するサイがガラス玉の周りに集まり、ガラス玉から上に映像が出る。
「これが、今回のターゲットだよ。スピリット・改…… だったかな」
「改!? 生物なのに名前に改が入っているんですか!!」
銀介さんと、ギアがうなずきあっている。
「この類には、よくあるよな」
「よくあるガ」
「ええ!?」
「まあまあ。で、これがヒカリのカケラ。2人とも見たこと無いだろう?」
銀介が、不思議な光を発する羽のような物を持っている。
「物によって形は違うけど、この発光は変わらないから。ま、微妙にグロイのもあるけど……」
「ヴア!!」
ぬっと、懐から目玉のようなヒカリのカケラを取り出した。そして、その目はまるで生きているように動いている。
「うううううう、動いたぁ〜!!」
「動いたガァ!!」
「そりゃ動くさ、生きてるんだし」
「ええ!!」
「ま、それより一刻も早くスピリット・改くんを倒してきてねぇ〜。じゃ、逝って…… あ、間違えた。行って…… らっ…… しゃーーい!!」
最後の最後に、銀介に蹴られて移動用のワープ装置に頭から突っ込んだ。ギアも、僕の上にドサッと落ち、扉が閉まり装置内が発光し始めた。ヒカリのカケラのような暖かい光だ。そうだ、このCOLOR本部のエネルギーは浮遊用とはいえ約80%ぐらいヒカリのカケラがまかなっていると聞いたことがある。
もしかすると、このワープ装置にも使われているのかもしれない。そんなことを考えている間にワープが終わっていた。だが、ギアが僕の上から動かない。よくよく見ると失神している。うまく当たりすぎたのかもしれない…… 蹴り鬼(銀介の昔のあだな)の跳び蹴りが。
「おきてください……ギアさ〜ん」
「歯車が57コ……歯車が58コ……あ、先輩……すんません。きれいな歯車畑とオイルの河がながれてて……」
「どんな天国ですか!?」
ギアが起き上がり、クルッと向き直った。
「あの…… 唐突ですけど敬語、止めてもらえませんガ? 先輩に敬語使われるって、何か変な感じがするんですガ」
「え…… そうですか?でも、ギアさんの方が年上ですから……」
「だから、お互い様ってことでお互いにタメ口ってことで」
「そ、それならいいですけど……。あ、癖になっちゃってるみたいです」
「ま、それならいいガ」
そのやり取りの後、地面が揺れた。
「何だ!? つーかココどこガ!?」
「今さらぁ!? 僕もだけどぉー!」
とりあえず、状況確認だ。外に出てみると、目の前には機械と植物が共存していた。
「ここは……?」
「多分、ムー大陸の五番角かな。機械と植物の共存を見ると」
「何で分かるんですか?」
「オレ、ムー大陸出身何だガ。4番角の。でも、やっぱり五番角の機械はやっぱいいガァ。この樹は、銀かな? でも、質が少し劣るガ。じゃあ、白金ガ?」
ギアは、もの凄くはしゃぎまくっている。
(ギアさんって…… いったい…… ナニモノ?)
「どうしたガ?」
「い……いや何……も……」
「どうした……ん? ッ……!!」
行き成り、標的に遭遇。いったいどうなる!? 僕達!!