第1話
変なところ、間違い、意味不明なところはたくさんあると思います。
ある者は、永遠の光求めて天より高き山登る。
ある者は、深き海の神に戦いを挑む。
ある者は、神々の作り出した力を操ろうともくろむ者がいる。
そして彼らは、永遠の原動力を手に入れるため、動き出す。
そう、彼らこそサイ使いの集団・COLORだ。
僕は何故生まれたの?
僕は何故生きているの?
僕はいったい……。
雨が降るなか、僕は軒下に座り込んでいた。何があったのか、ここはどこなのか、何も思い出せない。はは、僕は何を考えているのだろう……。名前すら思い出せないのに。
道行く人々は、僕が見えてすらいない。まるで、そこにあるのは人ではなく誰にも気に留められない小さな小石のように。いつか餓死するであろう、存在価値など無い少年のことなどどうでもいいことだ。皆、見て見ぬふり。誰も助けを差し伸べてくれない。
――僕はこのまま死ぬのだろうか……。
「キミ…… どうしたの…… 家は?」
見上げると、銀色の長髪の男が立っていた。僕は、横に首を振った。
「そう、何も分からないか…… ちょっとゴメンね……」
銀髪の男は、しゃがむと僕の額に手を当てて目をつぶった。ほのかに暖かい。何秒経ったのだろうか。しばらくそうしていると、ふっと光が消えた。
「サイの持ち主……。キミ、一緒に来るかい?」
僕は、思わず自分の耳を疑った。存在価値なんて無いはずの僕を、必要にしている人が目の前にいるのだから。
僕は、ついていく事にした。僕を必要としてくれている。僕の唯一の居場所をつくってくれた彼に。