表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
でんぱ  作者: 海溝 浅薄
タイトル
11/18

 友人が、顔をおくれと私に言った。友人には出会った頃から口以外に顔がなく、私自身もそのことを常々不憫だと思っていたので、片目を抉って友人に渡した。友人は礼を言うと渡された目を咀嚼し、飲み込んだ。

 するとどうだろう。友人の顔には私の目が現れたではないか。私は喜び、友人の手を取り喜びを分かち合おうとしたが、友人はその手を乱暴に振り払い、次は鼻だと冷たく吐き捨てた。

 それから私は鼻を削ぎ、友人に言われるがままに自らの顔を次々と友人に渡していった。友人は私の顔を手に入れ、私は口以外の顔を失った。それ以来、友人の気配は感じられない。友人がどこへ行ったのか、私には全く分からないが、顔を失くした私が今できるのは、ただただ、次の友人を待ち、顔を手に入れることを望むことだけである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ