パッヘルベルのカノン
日記代わりみたいな軽いお話。
以前に現実恋愛で、少女とピアニストの少年の一週間の恋愛の話を読みました。その中のモチーフの一つにパッヘルベルのカノンがあり、追いかけても追いつけないその関係を象徴しているというものでした。
それを読んでいて、あれ、これってそんな感じの曲だったかなあ、と思い動画とかを眺めたりしたのですが、どうしても「輪唱」しているようには聞こえませんでした。せいぜいがとこ、二つの声があるいは歌い、あるいは支えて曲を奏でているぐらいにしか思えず。
で、昨日ネットニュースに出てきたもので、togetterにまとめた「音楽の演奏形式の特徴」みたいなものがあって。これ自体とても面白いものだったんですが、やはりカノンは「全く同じメロディをタイミングをずらしつつ重ねた曲」という解説になっていました。
以前を思い出して、もう一度スコア付きの動画を見たり(というか聞いたり)、音ゲーみたいに音が流れてくる動画を見たりしたんですが、イメージ変わらず。どう見ても輪唱しているようには見えません。
ただ、スコアを探している最中に、「3つのバイオリンと……」というサブタイトルに出会って。それでピアノ曲でない弦楽の動画を探して再生してみました。
うん、まぎれもなく「カノン」でした。
3つのバイオリンが、同じメロディーを追いかけて演奏しています。それは動画だと、弓の動きとかで、特に良く判ります。ただ、もちろん同じメロディーラインであっても、他の二声のメロディーの組み合わせが異なってくるわけですから、「歌い方」もおのずと違って聞こえてきます。
鍵盤楽器で何声演奏できるか、という話で、以前にパイプオルガンなら右手3声・左手2声(右手2声左手1声じゃなかったよなあ)、右足・左足でトータル7声を表現できる、と聞いたことがあります。が、ピアノは足がないですし、このカノンでは、左手はバスパートに取られてしまうので、右手だけでは3声の完全な表現は望むべくもないでしょう。しかも、音域が重なっている声なので、より制約的になるのは仕方のないこと。
という事で、良くピアノ曲で耳にするパッヘルベルのカノンは、原曲を編曲したものであって、それを一人のピアノで再現する以上カノンという形式が完全に再現されていないのは当たり前、というのが昨日学んだところでした。
機会がありましたら、原曲を聞いてみることも、お勧めします。ビアノソロとは違ったイメージを受けるかもしれません。
ちなみに、合奏とかでパッヘルベルのカノンを演奏するような人には、当たり前の話のようで、家人は何をいまさら、という感じの反応でした/w