始まり
初めての投稿です!
下手な部分があるかもしれませんが暖かい目で見守ってください!
今日も空は元気だ。雲一つない快晴。
それにお供するかのような心地よい風。
「ああ、今日も平和だな」
静かにそう言ったのは俺こと宮間咲太。
この天気に、静けさ。誰がどう感じても穏やかで平和な空気感。そこらへんに生い茂った草たちは楽しそうに揺れて見える。
そんなことを思っているがこの世界は違う。この平和な時間の裏には魔物を討伐するもの達、悪さを働く盗賊共。当たり前のようにそんなことが平和というものの裏側に潜んでいる。
そんな世界で俺はただ1人散歩を嗜んでいた。
学校という束縛から解放され次はギルドという束縛に縛られていきている。今は1人で暮らしており、ギルドの依頼は討伐とかいうものじゃなくどこかの仕事場の派遣だったり、薬草探しとかそんな平和なものばかりで今は割とのんびりしてる。
ギルドにはランクがありEランクが1番地位が低く、Sランクが1番地位が高い。とはいったもののSランクは未だ2人しか居らず、その2人は結構忙しく遠くからの依頼などを受けることが多く、ギルドがあるこの街、「ポヤン」にあまりいない。なのでAランクが1番地位が高いことがある。
ま、俺には無縁の話だ。俺もAランクまで行きたいがそれは無理な話だ。何せ俺は、魔力が他の人より少なく戦闘にはあまり向いてないからだ。魔力が少なければ敵にダメージを食らわすことも出来ない。
それだけでは飽き足らず、俺は、炎と氷の属性を得意としている。
この世界では、7つの属性がありそのうちの2つと無属性の計3つの操れる属性が生まれた時から決められる。って言っても自分が何を操れるかわかるのはおおよそ4歳くらいだ。そして中には組み合わせが最悪なパターンもある。そう、それが俺だ。俺のような属性不幸に恵まれる人は1%にも満たないそうだ。そういった意味では運がいい。だけど最悪なものは何をどうしようと最悪だ。
魔力が少なければ組み合わせが最悪。そんなことから俺は剣術を学んだのだが最近は剣を握るだけで、手が、腕が、足までもが震えてしまう。まあ、理由は分かっているつもりだ。それ以外に理由はないと自分でも把握しているつもり。だけど、理由がわかっていようと解決しないといけないのが世の理なのだが、俺の場合その理由は解決できない。しようがない。なので俺は戦闘というものを諦めており、ずっとEランクでいいかなと今日もずっと思ってきた。
「世の中は矛盾してるな〜」
そして今日はギルドの束縛から開放される唯一の日だ。俺はその日にまったりと、ボーッと散歩をする。広く広大な草原。魔物が出るとは思えない、そんな平和な、緑が美しい草原を。
あてもなく散歩してると俺は何かを見つける。割と遠くに何かいるが何かまではわからない。横になってる感じがする。誰か倒れてんのか?
俺は歩くペースを変えず何かいるとこまで歩いていった。そして距離が縮まるほど見えてくる。誰かが倒れている。
髪が肩甲骨あたりまで伸びており、綺麗な、つやつやな黒髪が伸びていた。多分女の人だ。
「あの〜、大丈夫ですか?魔物とかに襲われましたか?」
俺は背中を揺すりながら声をかけた。外見的には襲われているとは思えない。傷や服の破れも見当たらない。
「あの〜、ほんとに大丈夫ですか?」
彼女は寝ぼけた顔をして、「ここはどこ?」と俺に問いかけた。
ここは「ポハン国」の領土内である。大きな街があり大きな草原があり。そんな大きな街だからこそ亜人族、いわゆる混血が受け入れられている国だ。
「え、ここはポハンですか?私もポハン出身ですけど、。でもここ私が知ってる場所じゃないような、、、もしかしたら記憶が無いのかも、、」
彼女は起き上がって地面に座りながらそう言った。これは少し厄介事に飲み込まれた可能性が高い。
「そうか、、色々と見て回るといいよ。あ、そうだこれからの予定とかあるの?できれば俺と一緒についてこない?無理ならいいんだけど、、」
「ん〜。まあ特に予定とかないしとりあえずついて行こうかな?君は悪くなさそうだし。それに色々と見たら何か思い出せるかも!」
正直俺は断られるかと思っていたが彼女は微笑みながらあっさりと俺の提案に乗ってくれた。
「そうだ名前は?俺は宮間咲太って言うんだ」
「私は平間久美子って言うよ。よろしくね咲太くん」
この日を境に2人の運命が大きく変わることはまだ誰も知る由もなかった。
最後まで見てくれてありがとうございます!
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