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魔眼の幻創術師 ~勇者パーティに見捨てられた三流幻術師は真の力に目覚めて世界を翻弄する~  作者: 結城 からく


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第64話 極呪の武器

 俺は転移扉で荒野の居住区へと赴く。

 ノアとルイズがすぐに気付いて駆け寄ってきた。


「どこに行っていたのだ?」


「武器の性能を確かめるついでに裁きの魔王を暗殺してきた」


 俺はそう言って毛玉を転がして、困惑する二人に経緯を説明した。

 軽い気持ちで別の魔王と戦ったことについて驚かれたが、無事に帰ってきたということで不問になる。

 ルイズは何か言いたげな顔で裁きの魔王を見つめる。


「この毛玉が"裁き"なのか……」


「そうだ。相性的に大して苦戦しなかった。暗殺と言ってもまだ死んでいない。復讐を望むなら生きた姿に戻すが」


「勝手にしろ。無力な者を嬲るほど落ちぶれていない」


 ルイズは淡々と答えて踵を返すと、近くにいた住人達と会話し始める。

 今後についての打ち合わせだろう。

 ルイズが魔王として本格的に復帰した以上、住人の生活も変わることになる。

 その旨を伝えているのだ。


 裁きの魔王は復讐相手のはずだが、ルイズはあまり固執していないように見えた。

 たぶんそれよりも今後について考えるべきだと結論付けたのだろう。

 それを己にも言い聞かせるため、あえて報復の機会を捨てたのだと思う。

 なんとも立派な姿だった。

 ルイズも五年の月日を経て成長したらしい。


 置き去りにされた俺は、ルイズの背中を見送ってから呟く。


「じゃあ、この毛玉は俺が貰っておくか」


「どうするのだ」


「またこの剣に喰わせる。何かしらの変化があるだろう」


 俺は毛玉を不浄剣で突き刺して吸収する。

 すると剣の魔力量がさらに増大し、基本性能の大幅に向上した。

 さらに魔眼で確かめると、斧と鉈に変形できるようになっていた。


「あまり劇的な変化じゃないが、別に損したわけでもないからいいか」


「十分すぎるだろう。刃から発せられる圧倒的な力……そこらの魔剣では足元にも及ぶまい」


「そうか?」


「うむ。我が目にした武具の中で最高峰の性能を有しているぞ」


 ノアが興奮気味に言う。

 意外にも武具の類が好きなのか。

 別に渡してもいいが、不浄剣は使い手にも悪影響を及ぼす武器だ。

 いくら竜のノアでも十全に扱えるとは思えない。


 そんなことを考えつつ、なんとなしに不浄剣を回転させる。

 次の瞬間、目の前の大地に落雷が炸裂した。

 俺は感心したような声を発して空を見上げる。


「おっ」


 雲は特にない。

 ではなぜ雷が落ちてきたのか。

 俺は不浄剣を注視する。

 先ほど比べて魔力が僅かに減っていた。


 隣ではノアが慌てている。


「何だ!?」


「どうやらまだ追加機能が残っていたらしい。今の落雷がそうみたいだ」


 落雷は裁きの魔王の固有能力らしい。

 その名の由来となった術である。

 俺との戦いでは使う間もなく死んでしまったので分からなかった。

 なんだか不遇な能力だが、裁きの魔王の代わりに有効活用しようと思う。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 裁きの魔王様死んでからその能力が発揮されるってめっちゃ不憫ですなぁ。 しかしながら、青炎と雷の能力ってすごく主人公っぽいこの能力をどう幻術に生かすのか、楽しみに待ってます。 [気になる点]…
[良い点] 今話もありがとうございます! >極呪の武器 これを正式名称にした方がかっこいいと思う。 [一言] 続きも楽しみにしています!
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