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魔眼の幻創術師 ~勇者パーティに見捨てられた三流幻術師は真の力に目覚めて世界を翻弄する~  作者: 結城 からく


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第57話 合成結果

 答えを聞いたノアが首を傾げる。

 彼女は難しそうな顔をして質問を重ねた。


「実験だと? リエアの核をどうするのだ」


「分からない。それを検証する感じになるな」


 別にふざけたわけではない。

 手順は簡単だが、その結果は本当に自分でも分からないのだ。

 それを今から確かめていく。


 今からリエアの核を、聖騎士だった金属球と混ぜる。

 どちらも素材としてはそれなりに稀少だ。

 かと言って大事に取っておく代物でもないので、実験的に合成することにした。


 幻創魔術で歪めた物体同士を合体させると、一体どんな反応が起きるのか。

 今回はその疑問と好奇心を解消するのが目的だった。


 俺は念のためにルイズに確認を取る。


「リエアの核を使うが別に構わないか?」


「好きにしろ。己は青炎への復讐を済ませた」


「よし、分かった」


 許可を得た俺は魔眼の視点をずらして、金属球に注目する。

 少しすると、表面が波打って顔が浮かび上がった。

 よく見ると聖騎士の顔だ。

 怯えと恐怖をありありと表している。

 顔は掠れた声で懇願する。


「た、すぅ、けて……」


「驚いたな。まだ意識があるのか」


 俺は素直に感心する。

 この状態で自我を保つとは、相当な精神力の持ち主だ。

 しかし、その長所が余すことなく本人を苦しめている。


 俺は優しい口調で聖騎士に話しかける。


「助けるつもりはない。後悔しながら苦しめ」


「こ、ろシ……て……」


「それも断る」


 即答した俺は、金属球にリエアの核を押し付けた。

 僅かな抵抗感の後、核は金属球を溶かしながら沈んでいく。

 金属球の形が急速に変形し始めた。

 怨嗟と苦痛の声を何重にも響かせて歪んでいく。


(そういえば、ルイズの魂の破片も混ざったままだったな)


 まあ、本人は特に何も言ってこないし、魂の破損も修復済みだ。

 別に構わないだろう。

 二人の魔王と聖騎士の要素を合成させるのだ。

 結果が余計に楽しみである。


「さて、何が出来上がる?」


 変化が終了した時、床に突き立った一本の剣が誕生していた。

 鞘は見当たらず、柄には漆黒の闇が布のように巻き付いている。

 銀の刃は青い炎を帯びていた。


 合成の結果、金属球は武器になったらしい。

 上手く三人の要素が組み合わさっている。

 武器になったのは、彼らの感情――攻撃性の象徴だろうか。


 とりあえず面白い結果になってくれたのは間違いない。

 個人的な予想では、何らかの生物になるのではないかと考えていた。

 良い意味で裏切られた形だと思う。

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― 新着の感想 ―
[良い点] >(そういえば、ルイズの魂の破片も混ざったままだったな) >まあ、本人は特に何も言ってこないし、魂の破損も修復済みだ。別に構わないだろう。 >二人の魔王と聖騎士の要素を合成させるのだ。 >…
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