分かります
光……闇……夢……現実……
現実は、厳しい。
ふわふわもふかふかも無く。
野宿、そして……
料理は、エメラルドの作ってくれる物の方が絶品だけれども。
そう。
夢心地。
固い地面に、ごわごわの毛布。
それだけの筈なのに。
柔らかく、温かく、それでいて……
……
?!
腕に抱き抱えるは……全裸の美女?!
というか見覚えが……
「ん……おはよう……」
美女が目を覚まし……いや、俺は、この娘を知っている……?
「……マリア……姫……?」
「何じゃ?」
マリア姫は、俺を眠そうに見て。
自分を見て。
真っ赤になり。
「……ほ、ホダカ殿……おはよう、なのじゃ」
「あ……おはよう……ございます……」
何だ?!
どうしてこうなった?!
<称号『夢じゃないですか?』を獲得しました[1]>
<称号『いやらしいですね』を獲得しました[1]>
?!
いや……起きている気がしたが……?
ほっぺたをつねるが、普通に痛い。
<称号『ヴネディアの夢でも普通に痛かったですよね』を獲得しました[1]>
?!
そうか……俺は……マリア姫の裸の夢を……
<称号『たまっている、っていう奴かにゃあ』を獲得しました[1]>
<称号『見抜きして良いですかと囁いてみたらどうですか』を獲得しました[1]>
どういう事?!
<称号『しょうがないにゃあ』を獲得しました[1]>
良くない!
というか何故猫!
ガサッ
「どうしました?!」
エメラルドがテントの入り口を開け。
俺とマリア姫が、エメラルドと目を合わせ。
「私を遠ざけた目的はこれですか?愉快ですね、この泥棒猫」
淡々と、冷え切った声で、エメラルドがそう尋ねた。
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「はあ……朝起きたら、マリア姫が裸で寝ていた、と」
「「はい」」
胡乱げな目で問う、エメラルド。
何故か正座させられて、俺とマリア姫が答える。
ちなみに、マリア姫は今はゆったりとした神官衣を着ている。
「しかしマリア姫……成仏した筈じゃ無かったのか?何故此処にいるんだ?」
俺が、そう疑問を口にすると、
「のじゃ……その……変身が固定されていたから気が緩んでいて……つい、気が緩んだというかじゃな……その……」
ちらちら
マリア姫が、良く分からない事を言いながら、エメラルドに目配せする。
エメラルドは溜息をつくと、
「あの淫乱蝙蝠、キース君は、マリア姫が化けた姿ですよ」
「のじゃあああああああああ?!」
マリア姫の悲鳴が響き渡る。
何……だと……
キース君って、マリア姫だったのか?!
あれ……言われてみれば、心当たりしかない。
マリア姫が、エメラルドをがしがし揺らす。
あれ……と言う事は。
今までお風呂とかに一緒に入ったり、一緒の布団で寝てたのって……マリア姫。
というか……告白紛いの事や、エメラルド姫への恋心もばれて……
「ま……マリア姫……その……」
「だ……大丈夫なのじゃ……昨日聞いた事は……言わないのじゃ……」
エメラルド姫が、微笑を浮かべ、
「へえ、何を言わないのですか?」
魂が凍えそうな声で、尋ねる。
やばい。
召喚当初に聞いた……あの懐かしい、温度の無い声。
<称号『分かります』を獲得しました[1]>
<称号『愛する人に蔑まれたり、恨まれたり、心ない言葉をかけられると……達しますよね』を獲得しました[1]>
どこにだよ。
分からねえよ。
俺を良く分からないものに混ぜるな。




