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分かります

「ただ……貴方の手で殺して欲しいです。お願いします……」


いや……そりゃ、クラスメート達に引き渡すか悩みはしたけど。

個人的には、そこまで恨みが強い訳じゃない。


無理矢理召喚されて、支配の首輪つけられて、外して棄てられた、それだけだ。

意外と酷い事はされているけど、それなりに楽しめているから問題無し。


頼れる相棒もいるしな。


<称号『さり気なくお世辞言っても、何も出ないですよ』を獲得しました[全ステータスアップ]>


うお、ステータスが全部、FからEになった。


「俺は、貴方の命を取る気は無いですよ」


「お願いします……もう、逃げるのには疲れたのです。貴方が殺して下さらなければ、私はあの人達に捕まり……国民に晒され、処刑されるでしょう」


……それは確かに。


「国外に逃げたらどうだ?」


クラスメート達なら見つけ出しそうな気もするけど。


「私は……死ぬべきなんです。もっとも残酷な方法で。私は、悪人でした」


「……?」


「私は、逃げ回り、色々な経験をしました。痛み、疲労、不安、餓え……そして……知りました、国民に、その苦痛を味あわせていたと」


あ、うん、暴君だったらしいよね。

王家。


「至る所で、王家への怨嗟を聞きました。優しい人達が、声を揃え、王家への呪詛を唱えるのです。知らなかった……王族以外の人間にも血が通い、心があり、喜び、悲しむ事を」


えええ……

何で知らないの、この王女様。


「だから、私は裁かれるべきなのです。貴方の手で、私を裁いて下さい」


……だが。

何故、俺に?

裁きが欲しいなら、残酷な死を望むなら、クラスメート達に出頭するべきだ。


俺の疑問を読み取ったのか。

王女様は微笑を浮かべ、


「貴方は、私に残された、唯一のすがれる希望なのです。だから、その希望の手で死を与えて欲しい……召喚者達の反乱前夜、心の声に従い、外に出て……生き永らえ……続いて、何度も心の声に助けられ、かろうじて命を繋ぎました。本当に信じられない体験でした……その声は、貴方の声だったんです」


本能、勘、そういうものが、幻聴となって聞こえた。

それに、たまたま俺の声が採用されたという事か。

優秀な心の声だね。


<称号『優秀で優しく、美しく、グラマーで、優しい?いやあ、照れますね』を獲得しました[1]>


そこまで言ってないし、優しいが2回出てきたし、キミが照れる場面じゃ無いよね。


「それで……いえ……本当は、最初に会った時から……貴方の事が好きでした。あの日、別れた日……私に美しいって言ってくれて……それが凄くびっくりして、嬉しくて……」


いや、汚物を見るような目で睨まれたよね。

実際、汚物にまみれて逃げたんだけど。


「お願いします。愛する貴方の手で、殺して下さい。ここで生き延びても、きっと私は……」


懇願する様な目。

それが、本当に綺麗で……


<称号『分かります』を獲得しました[1]>

<称号『優しい心を持った少女が、間違った知識で認識が歪み、悪逆非道の数々』を獲得しました[1]>

<称号『そこで真実を知り、生来の優しさから自分の行いが許せず……』を獲得しました[1]>

<称号『そのやるせなさ、最高に、エモいですよね』を獲得しました[1]>


いや、普通に可哀相なんだが。


<称号『それまで何不自由なく暮らしていたのが、飢餓と死の恐怖でボロボロに』を獲得しました[1]>

<称号『施しを受け……しかし、同じ人から同時に王家への怨嗟を聞き……その辛さを思うと……ワインがすすみませんか?』を獲得しました[ワイン]>


すすまねえよ。

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