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お金があれば別荘を買えますよ

「おう、あんたか。有難うな」


何故かおっちゃんに感謝された。


「いやあ、あの娘──アンリちゃんを助ける為、念の為、SランクPTを2つ派遣したんだが。ゴブリンキングに、ゴブリンシャーマンが複数……凄まじい事態になってたよ。アレに気付けない程、我が国の目は節穴になってるんだな……」


怨嗟すら込めた声で、おっちゃんが呟く。

やはり罠だったか。

ハニートラップに引っ掛かっていたら、死ぬところだった。


「国からの支援は無かったから、ギルドからの持ち出しになってしまったが……この国に住まう者として、胸を張れる事はした」


しかも無報酬になるところだった。


「アンリちゃん、そして、その幼馴染達は、皆、才能溢れる娘で……将来が楽しみだ。新人の中ではトップクラスの伸び率。みんなに良い影響を与えている」


才能、か。

クラスの奴らはどうしているんだろうな。

王女が歓喜してたから、勇者とか賢者とか聖女とか、色々いたんだろうけど。


「俺ではそちらには手が回らなかった。勝ち取ったのは皆さんだ。俺は関係ないよ」


他の用事で忙しかった感を出しておく。

サボっていたとかバレたら、感じが悪い。


「それより、おっちゃん。これの買い取りお願いできるか?」


コトコト


効果の低い物や、作り過ぎた物……余ったポーションを、人目につかない場所に並べていく。


「これは?」


「ごめん、詮索はしないで欲しい」


密造がバレたらやばいかも知れない。


「ふむ……俺では価値が判断できんな。カロンの奴を呼んで来るか」


「頼む。俺は、依頼を見ている」


さて……手軽な依頼は……お、これは。


--


「おい、鑑定が終わったぞ」


おっちゃんに声をかけられ、別室に連れ込まれる。

若い、白髪の青年が困惑した顔で、


「ギルドマスターから話は聞いた。詮索はせぬ。だが、これだけの神薬をギルドに納入する、その意図を聞いても宜しいかの?」


ギルドマスター、いつの間に出てきた。

会ったこともねえよ。


それより、これは……効果は鑑定済だから、粗悪品では無い筈。

違法物を疑われた……?


「無理に聞き出したい訳じゃない。だが、ゴブリンロードの様な事があるなら、予め情報が欲しいんだ」


おっちゃんが、控え目に言う。

いや、作り過ぎて余ったから買い取って欲しいだけですよ?


……そうか。

額が額だけに、ギルド資金が厳しいのか。

ゴブリン退治も、ギルド資金持ち出しと言っていたし。

……ならば。


「おっちゃん。買い取り価格は、金貨10枚程度でも良い。引き取ってくれればそれで」


「……やはり、うちにこれを納入するのが目的。これがなければ乗り切れない何かが……」


おっちゃんが慄く。

何でやねん。


「金貨10枚じゃと……?これだけでも金貨一千枚は下るまい……」


鑑定だと100枚程度なんだが、表示されるのは末端価格なのかな。

まあ直近お金に困ってないしな。


<称号『お金があれば別荘を買えますよ』を獲得しました[1]>


本宅も無いんだけど。


<称号『お金があればマイホームを買えますよ』を獲得しました[1]>


それは魅力的だね。


<称号『マイホームを自動改築設定にすれば、どんどんローンを組んでグレードアップしてくれますよ』を獲得しました[1]>


どっかの無人島かよ。

自動設定有るのか?


<称号『持ち寄って一つの家で遊ぶのが楽しそうですよね。一人だけ親友設定されていないとかまじウケる』を獲得しました[1]>


親友設定してやれよ。

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