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第五話

大体毎週月曜上げますが、明日は用事あるので今日上げときます。

予約投稿? 知らない名前ですね。

  街へと向かっている最中に、ちょっと気になったのでシルビアに質問してみる。


 「なあシルビア。俺が寝てたベッド凄い良い香りがしててさ……それと同じ香りがシルビアからしてる気がするんだけど……」

 「ん?ああそうだよ、あれは私が普段使ってるベッドだ。香りを気に入ってくれたのか、それは素直に嬉しいな、匂いのきつい薬の方が傷に効いたりするんだが、それが服などに染み付いてしまうのをどうにかしたいと、片手間に香水でも作ってみようと思って色々試してみたら、私好みの香りの香水が完成してね少し前から常用しているんだ」

 「そ、そっかシルビアが使ってるベッドに俺寝てたのか……」


 俺は若干照れくさくなって声が小さくなる。


 「気にすることはないさ、まさか病人を固い床の上に寝かせておくわけにもいかないだろ?」


 シルビアはそういうと何でも無い様に笑いながら俺の肩を優しく叩いた。


  「あ、あのさシルビアが用意してくれたこの服って男物じゃん?もしかして彼氏とか旦那さんとかのなのかな?」


 そうだ、俺があの家で目覚めてから見かけたのは、シルビアただ一人だけ。そんなところに男物の服が出てきたら気になっちゃうのは仕方のない事だと思うんだ。


 「ん?ああその服は弟の服だよ、背格好がだいたい一緒に見えたから、合うかなと思って用意したんだがぴったりだったみたいで良かったよ」

 「そ、そっか弟さんのか」

 「?それがどうかしたのかい?」


 シルビアはきょとんと小首をかしげて俺に尋ねる。


 「い、いやなんでもないよ。その弟さんは家には居ないみたいだったけど仕事中?」

 「いや、そういうわけではないんだが遠いところにいっていてね。しばらく帰ってこないんだ」


 何処か寂しそうな声でシルビアは声をトーンを低くして話した。


 「まあ向こうで元気にやっているだろうさ。手紙の一つも寄越しやしないけどね」

 「そうなんだ……ん?ちょっと待って今更気づいたけど俺元居た世界の言葉で話してるんだけどシルビアには俺がこっちの言葉を話してるように聞こえてるの?」

 「ああ、この世界に来た人は皆、この世界の言語を話せるようになってやってくるんだ。理由はこの世界の神が、意思の疎通が出来ないのでは不便だろうということで、恩恵を与えているとかなんとかって説が通説だがほんとのところは分かってないんだ。だが、読み書きまではさすがに無理なようで、そこは自力で覚えてもらうしかないからそのつもりでいてくれ」

 「なるほどね……勉強苦手だけど生きてくために必要だしな頑張ろう」


 道をのんびり通っていると、やがて森を抜け目的の街の外壁が見えた。シルビアから肩を優しく叩かれて街の入り口で交代することになった。


 「ご苦労様、初めてにしてはかなり上手な馬の扱い方だったね。乗馬か何かの経験があるのかい?」

 

 手綱を握り馬に合図を出しながら、シルビアが関心した様子で聞いてきた。

 

 「いや、全くないよ。この馬が凄い大人しくて俺の指示にも、素直に答えてくれただけだと思うよ」

 「確かにこの子は大人しいから、あまり馬を扱わないお前でも大丈夫だと友人が勧めてきた馬ではあるんだが、それを考えてもしっかり出来ていたものでつい気になってしまってね」


 シルビアはそう言いながら微笑むと、街の門番が声をかけてきた。


 「おや、その人は誰だい? 珍しいじゃないか?シルビアが誰かと街に来るなんて」

 「ああ、彼は異世界人だ。それも転移して拾われた先が、例の組織の手術室だったっていう災難つきのね」

 

 門番は思わず身構え、剣に手を伸ばす。


 「例の組織ってお前大丈夫なのか? 爆発しないか!?」

 「心配ない、私が既に解除してある。突然爆発なんてしたりしないさ」


 シルビアが手で制しながら答えると、安堵した門番が一気に気を緩めて笑う。


 「そっかぁ……なら良かったよ。こっちの世界に来たばっかでそんな目に会って嫌な思いをしただろうが、君以外にも色んな人たちがこの世界に飛ばされてきて暮してる。中には君が遭遇してしまった悪人たちも居るが、全部が全部そういう人じゃないからさ。ま、これから少しずつでいいからこの世界に触れてみてくれ、きっと気に入ると思うよ」


 そういって門番は俺に手を差し出してきた。


 「とりあえずよろしく、俺はここルイルの街で門番をしているレックスだ」

 「あ、どうも(たける)です、よろしくお願いします」

 

 俺はレックスさんの手を握り返す。

 

 「ではな、薬の納品を済ませてくるよ」


 シルビアはレックスさんに軽く手を振って馬車を走らせた。


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