編み目
基礎を作るのは大変で はじめの一歩が難しくても
その上に重ねる 二段目はまだ新しいことばかり
三つ目からは繰り返しのが続いて 少しずつ感覚をつかんで
上達の兆しと思ってた
進んだところで 並べてみる
近くでよりも遠くで見た 網目の掛け違いが穴になる
先に進んでも 穴はそのまま
埋められない掛け違いは 思いをよぎり おぼつかないまま
それでもいいと 気に留めないまま 進めるような人にはなれず
するりと抜いた 支えからこぼれる 糸はふるふる輪を抜けて 戻ってしまった
塞き止めをなくしたダムのように みるみるうちに 無かったように
完璧主義でなければよかった 凝り性でもないくせに
不完全を認められれば それも個性だと 受け入れられれば
欠点を愛せない大人になって なにも認められなくて寂しい自分