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No.7 私がなってあげましょう

「令嬢??」




デニスは信じられないのか私を瞬きもせず見つめる。

彼の瞳は完全に見開いていた。

その瞳には泥だらけの自分が映る。


そうよね……。

こんな泥だらけの女が令嬢だなんて思わないよね。


それでも私は動揺するデニスをスルーしてステファンに返事をする。




「ルチル公子……。お気遣いありがとうございます」




泥だらけの服の姿の私はステファンに向かって一礼をする。




「でも、私はもうあの家の者ではないので、そのようなお言葉遣いはいりません。私は平民の1人です」


「しかし、あなたは我が国の勝利に大きく貢献してくださいました。ぜひとも我が国にお招きしたい。ですよね、殿下??」


「あ、ああ。そうだな……」




デニスは状況がしっかり理解していない中、ステファンにつられて賛成する。


できれば、セレスタイン国(あっち)にも行きたくはないんだけれど。
























でも、





















ハンナちゃんとデニスはまだ恋仲でもない様子だから……。


































私がキューピットになってあげようかなっ!!









「アルマンディン侯爵令嬢、来ていただけますか??」


「ええ。仕方ないですね、殿下のお願いとあらば」




でも




「申し訳ございませんが、1つだけお願いを聞いていただけますか??」




シエンナのお願いにステファンが答えようとする。

しかし、動揺で一時人間の言葉を忘れていたデニスがやっと口を開いた。




「なんだ?? お願いとは」


「私をなるべく世間に知られないようにしてくださいませんか」


「知られないようにか……。ステファンできるか??」




デニスは信頼する側近ステファンに尋ねるが、そのステファンは私のお願いに疑問を持っているようだった。

「うーん」と言いながらステファンは答える。




「それは可能ですが……。なぜ、アルマンディン令嬢はそのようなことを??」




そうですよね。

そう思いますよね、普通は。


確かにこのまま行けば、私は王子の救世主として見られるかもしれない。




























でも、それを聞いたあの人たちは私のことを放っているだろうか??























いや、それはない。

















特に兄は今の私を放っておくなんてことはしないだろう。




















だから、絶対に私がここにいることを知られないようにしないと。










シエンナはニコリを笑い、答えた。





「少々事情がありますので……」




賢いステファンなら事情というものが家、アルマンディン家に関わることだと分かるだろう。

アルマンディン家は関わると本当に厄介。

それを知っているステファンはもうこれ以上聞いてこないはず。




「……そうですか。分かりました。では、令嬢と知られないように手配いたします。では、こちらに」




私とデニスはステファンの案内で、拠地にしていた小さな建物に戻る。

何人かの兵士は私を見ていたため、なんとも思わない様子だったが、何も知らない者は泥だらけの少女が王子の隣を歩いていることに驚きを隠せずにいた。


こんな私が令嬢だとは思わないだろうけど。


私が令嬢だと知ったデニスは隣にいるものの話しかけては来なかった。

それは驚きを隠せずにいるのか、それとも敵対国の侯爵令嬢に助けを求めたことを後悔しているのかさっぱり分からないが。


デニスと別れると、私は部屋に案内された。

シエンナは泥だらけであったため、着替えを用意してもらっていた。

シャワーを浴び、着替えると早速準備されていた馬車に乗り込む。




いよいよ、2人の聖女に会うのね。

ハンナちゃん、私のことを嫌わないでほしいのだけれど。

そして、デニスのことを愛してほしいのだけれど。




私は唾を飲みこむと、セレスタイン国の王城の方に目を向けたのだった。

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