プロローグ
ども
目が覚めた。
どのくらい眠っていたのだろう。少なくともここ最近の記憶がない。
まだ頭をくらくらさせながらも頭の中をフル回転させ、今どのような状況にいるか考える。とりあえず、眠っていた時間は分からないので別のことを考よう。まずここはどこだ?そう疑問に思い、あたりを見渡す。特徴的な物は濃い紫色に光を放っている壁と天井。均等に建てられている丸い柱が何本かと気味の悪すぎる絵が飾られている。それらよりも異彩を放っているの者がいる。そいつは体に似合わない大きな椅子にちょこんと座り、温かな目線で俺を見つめてくる。・・・・・・てかこいつ誰?
俺と目線が合うとにこりと不敵な笑みを浮かべて、いままで黙っていた口を開き喋りはじめた。
「こんにちは、西宮かずと君。突然ですが、あなたは死にました。」
その言葉でようやく最近の記憶が蘇ってきた。そうだ、死んだのだ。俺は。確かスマホをいじりながら歩いていたら、飛び出してきた車に気づかず跳ねられてしまったのだ。だがその死んだという事実は俺が今ここにいる理由にはならない。なぜ俺はここにいるのか。いくら考えても答えが分からない。それが表情に出てしっまたのか不意に座っていた少女が喋りかけてきた。
「ここは魔神の部屋。神様級の悪魔がいる部屋と覚えてください。あなたがなぜここにる理由はこの私、アンラ・マンユに選ばれたからです。そして、あなたには二つの選択肢があります。一つはこのまま死ぬこと、二つ目は私と一緒にある世界を侵略することです。さぁ、どっちにしますか?」
「そんなの決まってんじゃん。」
気づけばそんなことを言っていた。どうやら昔から俺の中にあるどす黒い何かが敏感に反応したらしい。自分でも気づかないうちに言葉がペラペラと出てきてしまう。
「このまま死ぬより、世界侵略したほうが絶対面白いじゃん!!」
「そうですか。ならこれからよろしくお願いしますね、かずと。」
「お、おう。」
あまり女の子から下の名前で呼ばれたことがないため、ついつい戸惑ってしまう。まぁ、上の名前でもあまり呼ばれたことないんですけどね。
アンラは俺の横まで来ると両手を前へ出し、よくわからない難しそうな呪文を唱える。すると、呪文を唱えたアンラを中心に良く分からない言葉で書かれた魔法陣が浮かび上がり、紫色の光が強く強く放たれる。
「準備はいいですか?」
「ああ、もちろんだ。んで、どういう所に行くんだ?」
「それは着いてからのお楽しみです。」
そしてアンラはこちらを向き、笑った。その笑顔が幼き子が悪戯をするときにする無邪気な笑顔に似ていて、少しばかし愛しかった。
紫色の光がさらに強くなり、目も開けられなくなった。
やがて光も弱くなり目をゴシゴシしながら開けると、そこには今まで見たことがない世界が広がっている。
「・・・・・・なに、これ。」
そう言わずには、いっれなかった。
あざした