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告白シリーズ・オフシーズン

始と終-告白・軌-

作者: 付喪の人
掲載日:2017/12/03

3月15日。

木下元(きのしたはじめ)は高校を卒業した。


さて、どうしようか。

今、俺は、机に向かっている。

何故かといえば、そう、進路だ。

俺は机に白い紙を目一杯に広げて考え込む。

一応、大学受験は受けたが、結果発表日がまだだ。

普通なら、卒業前に結果が発表されるのだろうが、遅すぎる。

結果が分からないと進路も考えれない。


その後、考え込んだものの、全く浮かばず、そのまま就寝した。



翌日、まさかの結果発表日。

俺は足早に会場へ向かう。

会場に着くや否や、早速、番号を見渡す。

俺の受験番号は3690。

一列、一列、順番に確認する。

すると、7列目に俺の番号があった。

「やった・・・合格した」

歓喜の声が漏れた。

とりあえず確認もしたし帰ろう。

そう思い、振り返った瞬間。

「痛っ」

誰かとぶつかったみたいだ。

こけた相手に、「大丈夫ですか?」と声をかける。

よく見るとその相手は女子だった。

「大丈夫です・・・」その子はそう言いながら立ち上がり、この場を去った。


何故だろう、彼女の顔に見覚えがあった。

誰かに似ていた。と言う方が正しいか。

はて、誰だろう。

少し考え込む。

すると、「・・・夏江・・・!」

驚く事にさっきの子は俺の初恋の相手、佐々木夏江に似ていたのだ。

しかし、夏江はもう・・・。

夏江は、数年前に亡くなっていたはずだ。

きっと、別人だ。

そう思いながら、俺は帰路を辿った。



大学の入学式当日。

俺は足早に大学へ向かった。

そして、大学の玄関前でクラス表を確認した。

3組か・・・。

誰か知り合いはいるだろうか。

そう思い、3組の欄を見渡していると、

「佐々木冬紗(ささきかずさ)・・・」

ま、まさか、この前会った女の子か・・・。

「あ、貴方は」

その時、後ろから声がした。振り返ってみると、そこにいたのはこの前会った女の子だ。

「あの時以来ですね」

俺は冷静にそう言った。

「早速で、失礼だが。君の名前を教えてくれないかな」

続けてそう訊いた。

そうすると彼女は「佐々木冬紗です」と言った。

「あ、貴方は?」

彼女はそう聞き返してきた。

「木下元です」

俺はそう答えた。

そうすると彼女は少し明るい表情になった。

「やっぱり、貴方が元さんでしたか・・・!」

彼女は急にそう言ってきた。

何故、俺の名前を。

「佐々木さん、なんで俺の名前を知っているんですか?」

俺は完全に敬語になり、そう訊いた。

彼女は少し改まり、こう言った。

「はじめまして、元さん。私は貴方の初恋の相手、佐々木夏江(ささきなつえ)の妹です」

やはり、夏江の・・・。

俺の予想は的中していたらしい。

「どうりで、夏江に雰囲気が似ていたからまさかと思っていたんですよ」

「そうですか?ああ、そうだ貴方に伝えたいことがあったんです。少し、場所を変えましょう」

彼女はそう言いながら俺の手を強引に引っ張り、歩き出した。



しばらく歩いて、公園に着いた。

まだ朝だから誰もいない。

「さて、元さん。単刀直入に言いましょう。姉は生きています」

「・・・は?」

俺は困惑した。

夏江が生きている?いや、そんなことがあるわけない。

「夏江が・・・生きているだって?まさか、そんなこと・・・」

「では、あそこに向かいましょう」

そう言って、冬紗は俺の手を引っ張り歩き出した。


俺は道中にいろんなことを考えていた。

夏江・・・。

夏江はあの時、手術が始まる時、「ごめんね」って言った。

俺は手術がの結果を知らなかった。

聞くのが嫌だったから、逃げた。

もし、失敗していたらと思い、怖くて逃げた。

自分は臆病者だった。


そして、数分歩いて着いた先は病院だった。

「病院・・・」

「さて、行きましょうか」

冬紗はそう言って、病院に入り、受付を簡単に済ませて、エレベーターに乗った。

「4階に姉がいます」

「・・・・」

どうしたものか、ここまで冬紗が言うのだ、あの手術は成功していたのだろうか。

まだ、信じ難い。

ともかく、行ってみなければ。


4階に着いた。

冬紗はスタスタ歩いて、個室である403号室に入った。

部屋の中には、2人の女性。ベッドには一人の女性。

ま、まさか。

「夏江なのか・・・?」

恐る恐る、呼ぶ。

そうしていると、ベッドの女性は起き上がり、こちらを振り向きながら、

「久しぶりやね、元君・・・」

涙声になってそう言った彼女は数年前に死んだはずの夏江だった。

俺は少し走って、ベッドのそばまで行った。

「な、夏江・・・!生きていたんだね・・・。という事は、手術は成功したのか・・・」

「そう、あの日、手術は成功した。でも、思った以上に体自体の回復が遅くて、まだ入院してるんや」

そうか、成功してたんだ。よかった。

俺の目からは涙が溢れ出た。

「夏江、本当に良かった・・・」

「うん、ただいま。やね、元君」

お互いに泣きながら抱き合った。

これは『軌跡』だ・・・。



その後、俺は大学を辞めた。

そして、夏江と毎日話していた。


数か月後。

夏江は退院することになった。

「よかったね、体回復して」

「だいぶ時間は掛かってしもーたけどね」

二人でそんなことを話しながら、病院を後にした。

「あ、そうだ」

「ん?どないしたん?」

俺はふと、思い出した。

「今日は、アイツの二回忌だ・・・」

後書き。

なんか、書いてると楽しかったですw

多分、まだ続きますよ!

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