6ページ目
「えーっと、まず事情は把握しました」
こんな状況でも冷静に対応できるのはなぜなのか。
いや、こんな状況だから冷静に対応できるのだろう。
現実味が無さすぎて、白昼夢にしか思えない。
何度言っても土下座を崩さない彼女にうーんどうなっていたが、土下座しをやめて欲しいではなく顔を上げて欲しいと言ってみた。
渋々と言った様子で顔を上げた彼女は、金髪青眼の美少女で涙に潤む綺麗で大きな瞳をこちらに向けていた。
そんなのを見てしまったのだから
「貴方のような美しい青空の瞳に涙は似合わない。私は君を許したい。だから、その花のような笑顔で全てを精算しよう」
と言ってしまうのはもはや息を吸うような事なのだ。
女性は常に笑顔であって、それを褒めて褒めまくるべし。
美しい人を見たら条件反射なのだ。
顔を真っ赤にしてこくこくと頷く様子にさらに可愛いなと思ったが、話が進まなそうなのでぐっと堪えて椅子を勧めた。
どこからか私と同じ椅子を取り出して座る彼女に、やはりここは夢の世界だと確信する。
「も、申し訳有りませんがここは夢ではなく死後の世界の安寧の地なのです」
思考を読まれたことにうん?と首を傾げるが、ここは夢であって私が作り出した幻想なのだから、なるほど納得だ。
「ち、違うんですよ~!私は神様であなたは私の悪ふざけにより命を落としてしまわれたのです!ほんとうに、ごめんなさい!」
今度は顔を真っ赤からまた真っ青にして伝えてくる神ちゃん(私命名)の頬をハンカチで拭いながら
「君には笑っていて欲しいと言っただろう?」
といって頭を撫でる。
そこではたと気がつくが、私と神ちゃんじゃ永遠に話が進まない気がするな。
そんな思考を読んだのか、申し訳ございません〜!と言うと神ちゃんはどこかえ消えて、代わりに黒髪の男性が現れた。
「おい、エルフリーデ!?」
どうやら神ちゃんの名前はエルフリーデと言うらしい。
花のようにかわいい女の子の名前なら、もう二度と会う可能性がないとしても覚えられる自信がある。
問題は、目の前の男とこの不思議空間に置き去りにされた私の事だ。