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家に帰ったら、早速プレイして装備集めてネットに載せよう。
そう決めて暗いコンビニの帰り道を歩く。
仕事帰りと何ら変わりのない道なのに薄らと不気味に感じたが、酔いが回ってるせいだろうと決めて、軽い足取りで一軒家に向かった。
そして、呆然とする。開いたドアに付いている電気。
酔っていても、確実に電気は消したしドアの鍵も占めたはずだ。
元々お酒には強いしこのくらいの量のワインで悪酔いするタイプではないから間違いないはずだ。
背中を嫌な汗が流れる。ご近所付き合いも全くと言っていいほどしてこなかったため、お隣さんは私の姿すら知らないだろう。
両親所有だった広い庭のある戸建てだ。覗こうとしない限り中なんて見えやしない。
不審者が堂々と鍵をこじ開けようとしたって、家主なのかそう出ないのかなんて区別すら付かないだろう。
それにこんな時間なら鍵をこじ開けようとする悪党も、
酔った家主が鍵を開けるのに苦戦していると思われても仕方が無い。
先程までの浮ついた気分が嘘のように急降下して、私を冷静にする。
静かに耳を澄ませば僅かに物音がする。だれか、私が招いていない客がいるのは火を見るよりも明らかだ。
そこから物音を立てないように家の門が見える路地の方まで歩いていく。
そして、警察に連絡をしようと思い、携帯を取り出す。
「みーつっけた♪」
突如後ろから幼い子供のような、それでいてどこか無機質な声が聞こえ、振り返ったと同時に意識を失った。