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異世界旅商人の通帳  作者: 黄昏の罅
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この前挑戦で纏めて買ったゲーム会社の株が一気に上がっていたので調べてみると、大手他社の合併吸収を成功させたらしい。


テレビを最近見ていない私は知らなかったが、ニュースで話題になったようだ。

ここらがヤマかな、と見積もりまとめて売り払う。


本来ならこの後お風呂に入り明日に備えて寝るところだが、明日から仕事は無いのだからこの時間に寝る必要は皆無。


それならばとタイミングを図ったように昨日届いたMMORPGのパッケージを開けてゲーム機に差し込む。


超美麗グラフィックとキャラメイクの多彩さで話題の一品だ。

骨格から作り上げていくタイプのこのゲームは初心者には大層難しい仕様だろうが、私を含めたガチ勢の中でも玄人と呼ばれる廃プレーヤーには魅力的。


それこそ一日以上掛けてキャラメイキングをする。

この仕様のものは何一つとして同じキャラは作り得ないのだから、腕がなるというものだ。


事前登録やログインといったものを済ませてようやくゲームスタート。まず顔の骨格に取り組む。


もうすぐ完成といったところで緊張の余り汗ばんだマウスを握る手がうっかりと滑ってしまった。


シンメトリー設定といい、片方を加工するともう片方にも適応される設定をオンにしていたから、左右の頬にあたる部分が僅かに削られる。


そして、その骨格を見た私に閃きの神が舞い降りた。


頭に明確に浮かぶイメージはネットで騒がれた私の作ってきたどのキャラよりも美しく、気高く、それでいて表情一つで優しさや親しみやすさ、冷酷さや残忍さを表現できる過去最高の「作品」だった。


その顔を忘れないうちにとそのまま寝る間も惜しんで一心不乱にキャラメイキングをする。


翌日の昼。完成と同時に寝落ちした彼女はとても満足気な顔を浮かべて寝息を立てていた。





画面に映るのは【ソロモン・ジンハウルト】の名前と、百六十センチの男だとも女だともいえる中性的な顔立ちをした超絶美形の若い《男》だった。

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