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シノハユ(原作:小林立、作画:五十嵐あぐり)

再び漫画です。

「咲―Saki―」という女子高生が部活で麻雀の全国大会に出るというぶっ飛んだ漫画のスピンオフ。勿論本編も好き。阿知賀も。メジャーでごめんなさいね。


 ただ、このシノハユは特別すごいと思う。


 本編開始のずっと前。舞台は島根県。

 小学生の白築慕の楽しみと言えば、月一回の叔父と母の3人で打つ家族麻雀。

楽しい日々であった。

 ところがある日、母が失踪……


 横浜から叔父のいる島根に転校し、新しい生活が始まる。


 慕はとても良い子なので、明るく振る舞う。料理だってするし、いつもニコニコ。

 でも、心の中ではお母さんに会いたい気持ちで一杯だ。

 

 母との絆。それは麻雀。麻雀で有名になれば、どこかでお母さんが見てくれるんじゃないか?

 気付いたら、慕の足は麻雀大会に向かっていた。



 人物描写がすごい。日常も丁寧に描き出している。キャラクターが記号ではなく、連続した日常の中できちんと成長している。生きている。

 シノハユにおけるメインの話は慕の母との話であるが、実は群像劇でもある。

周囲のキャラクターサイドからの、慕の物語。そしてそのキャラクターの人生。それぞれがそれぞれに背負う物があったり、「そこに至る理由」が説明されている。

 日常において、心の内を語る事なんて無い。そらそうだ。この作品においても、そうした事は少ない。その代わり、ちょっとした表情や間で全部伝わる。何というか、魅せる映像作品のような感じだ。


 また、背景描写もすごい。恐らく島根に現地取材に行って、写真から起こしている。私が見た事のない景色の中で、キャラクター達がそこで確かに生活している、ような錯覚を起こすのだ。

 どのキャラクターも良い。全部上げてたら紙面があっという間に尽きる。主役級は他の方に任せるとして、私は杏果ちゃんを推す。脇役である。が、この子が居なければ色々滞る。主役級のキャラクターをさりげなく支える姿が実に良い。


 正直私は麻雀詳しい方ではない。が、十分楽しめる。

 もしシノハユが面白かったら、本編も読んで欲しい。本編の方は少々(かなり?)ぶっ飛んでいるのでついていけないかも知れないが、共通したキャラクターが出ていたりするので、なんだかんだと楽しめると思う。特に阿知賀編。

 繋がり分からなくても十分楽しめるので、是非一読を。

麻雀漫画と侮る無かれ。絵柄が可愛らしいからと侮る無かれ。本編も含めて、スポコンだし、友情ものである。展開も実にアツい。

 キャラクターも皆魅力的という希有な作品。何せ一試合の登場人物が20人である。(4チーム、団体戦)捨てキャラも当然増えそうなものだが、不思議と皆人気がある。作者の設定の深さが多分関係している。が、長くなるので割愛。





 本編は最早能力バトルと化し、全自動卓なのに牌がどこにあるか分かるとかいう状態になっている。さすがにキャラクターが吹っ飛んだりはしないが……いや、14巻で撃たれてたな、銃で。描写だけだけど。色んな物がどこまで行くのか、ハラハラどきどきしながら見ている。


書いていて思ったけど、よつばと!に近い雰囲気かもしれない。あれも毎日の出来事を描いているから。よつばが成長しているのがはっきり分かるんだよね。

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