魔法少女だった
わたしはかつて魔法少女だった。――否、魔法少女だった記憶がある。わたしは人々を救うために戦い、死に、また戦っては死んだ。ループ物のゲームみたいに同じ時、同じ人生を繰り返していた。そして、いつも訪れる結末はバッドエンドだった。好きになった人は敵で、人々を救っていたはずが、悪は自分で。自殺したこともあった。好きな人を殺した。殺された。絶望の果てに世界を壊そうとした。そんないく通りもの最期を迎えてわたしは固く決心をしたんだ。もう魔法少女にはならない、自分のためだけに生きていくんだって。そう思っていたのに。