休憩?できるかよ
ああ、たった一度の戦いで人数が残り半分近くになってしまった。
西岡さんは心臓部などを撃たれ死亡。由紀さんは頭、雅史さんは肺などを撃たれ、死亡。
今、何年分の人生が失われたのだろう。
この一瞬で。
「ルール違反をすると、今のようになりますのでお気をつけてくださいね」
斎藤「…。」
橋本「ルール違反ってのは、具体的にどういうのがあるんだ?」
「そうですね…。主に試合以外での殺害、暴力、ゲームの放棄、逃走などがあげられます。」
やっぱりな。逃走が許される筈もない。
おれと唄はここから脱出できるのか?Aチームには頭のキレる斎藤さん、Bチームには観察力に優れるであろう橋本さんがいる。
慎重に行動しないとばれてしまう。
だがもうやるしかない。おれは生きてここを出るんだ。
「多少ハプニングもありましたが、休憩時間となります。各部屋にお菓子などが用意されておりますのでどうぞ召し上がってください。」
平井「…愛美。」
ウェイトレスの格好をした人がお菓子を運んで来てくれた。
いやいや、この状況で喉通らないだろ。
橋本「次の3回戦だが…おれが行こうと思う。」
翔斗「…!!」
これはチャンスだ。唄との脱出も3回戦の時だ。脅威となる橋本さんが試合に出てくれれば脱出がバレる確率が減る。
二ノ宮「いいんじゃない?」
橋本「おれの予想では、次のAチームは斎藤が出てくると思う。」
三日月「どうして?」
橋本「あいつは死を恐れない。予選の時もそうだった。司令塔は普通動かないで最後まで残るだろう?だがやつは自分で動く。誰かに指示を出すよりも確実だからだ。」
となると…脅威がいなくなる。脱出がバレる確率はほぼ0になったはずだ。俺たちは絶対こんな黒く重い世界から脱出してやるんだ。
斎藤「…次はおれがいこう。」
斎藤さんは言った。
唄「どうしてですか?司令塔は最後まで残っていたほうがいいと思います。」
平井「おれもそう思う。」
斎藤「次、Bチームは橋本が出てくる筈だ。お前らじゃあいつには勝てない。」
唄「どうして言い切れるんですか?」
斎藤「あいつはおれが予選でとった戦略…司令塔が先頭に立つというのを覚えているはずだ。だからあいつは次の3回戦おれが出てくると思っているだろう。だからあえておれも出向いてやる。」
平井「…勝てる自信があると?」
斎藤「もちろんだ。それにもし、おれが負けたとしても雛詩がいる。お前がいれば、勝てる筈だ。」
唄「…。」
僕たちは次の3回戦でここから脱出する。
斎藤さんの期待を裏切ることになる。もし、3回戦で斎藤さんが負け、僕と翔斗が脱出したら…?平井さんは一人になり、間違いなく負けるだろう。
僕らの脱出は、ほとんど人殺しのようなものだ。
それでも、脱出してみせる。人は結局は自分が1番だと、割り切るしかないんだ。
はたして、唄と翔斗はどうなるのでしょうか。他人を犠牲にして自分が助かる道を選んでしまうのでしょうか。
今回は展開があまりなかったかな?
ちゃんと更新しますのでお許しを!!笑




