分かる人にはエロいかもしれない漢詩【観茹筍霧中】
最近は漢詩を詠む人が少なくなったものです。
現代中国人は詠めない人が大多数でしょうねえ。
私も滅多にやりませんけれど。
【白文】
「観茹筍霧中」 五言絶句 平起式 平韻
魅 霜 天 気 配
覧 月 激 霞 浮
茹 筍 生 温 漏
亀 醒 液 面 頭
【書き下し文】
「霧中に茹筍を観ゆ」
霜を魅るに 天に気が配せり
月を覧ずるに 激しき霞が浮かぶ
茹わき筍の 温き漏れに生ず
亀の醒めるは 液面の頭なり
【掛け言葉文】
「霧中で茹でたきのこを観る」
ティーンに下の毛が配するを魅いる
乱突き激しきさまの霞が思い浮かぶ
茹う筍は生あたたかに漏れり
醒めて亀が頭をイケメンにむく
【現代語訳】
「霧の中に茹わらかい筍を観たこと」
空に霜の気配を魅入っていた。
激しい湯気に浮かんでいる月も見える。
そういえば春露を浴びた若い筍が生えていたなあ。
亀が起きだして水面から頭がでるだろう。
【ちょっぴりエロ語訳】
「湯煙のなかで、皮に包まれた突起が茹だっているのを、夢中で観たよ!」
霜が降りそうだなというくらいの寒さの中、
十代っぽい人の下半身に毛が生えているのに注目してしまった。
湯気がものすごい勢いのなか月が彼を照らし出して
つい幻想してしまうのは激しい突きが繰り出せるんじゃないかな、ってことだ。
温湯が流れこんでいるあたりに柔らかそうに生えているタケノコ、
元気の良い汁が漏れてくる所に喰らいつきそうになってね。
春に亀が起き出したみたいに、ふと覚醒して気がつくと、
水面からポコって頭だけだしてヨダレたらしてイケメンに挨拶したがってたさ。
【押韻、および、韻目】
・押韻は以下のとおり。
承句「浮」
結句「頭」
・韻目は以下のとおり。
寘 陽 先 未 隊
感 月 錫 麻 尤
魚 軫 庚 元 宥
支 青 陌 霰 尤
※「茹」の漢字義は「やわらかい」「くう」などで、国字義の「ゆでる」は存在しないが、和製漢詩として大目にみていただきたい。
【センター試験的に問題】
作者がこの漢詩に詠みこんだ場所はどこか。次のア~オの中から選びなさい。
① たけのこの山
② 天下一武道会
③ あの世
④ 温泉旅館
⑤ きのこの里
……これ、セーフだろうか。
び、……BL要素だろうか。