表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空振り美食道〜大根一本で魔王と勇者を飼い慣らすまで〜  作者: 向陽葵
【第1部:契約の始まり】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/90

氷の巨人と雪合戦:投げたのは岩でした(前半)

「おい小娘! 見物してねえで何とかしてくれ! 俺の華麗な剣技は、今……絶賛、冬眠中なんだぁぁ!」


 マーカスがイエティの巨大な足に踏み潰される寸前、エリカは足元に転がっていた、重さ五十キロはあろうかという氷の塊をひっ掴んだ。  極寒で岩のように固まったそれは、エリカの握力によってミシミシと嫌な音を立てる。


「マーカスさん、伏せてて! ……えいっ!」


 狙いは、イエティの眉間。  だが、放たれた氷の塊は、エリカの「命中率2」という呪われた指先を離れた瞬間、物理法則をあざ笑うかのように急激に右へとカーブを描いた。


 スカッ……。


「……あ」  氷の塊はイエティの三メートル横を通り過ぎ、坑道を支えていた古い木製の支柱に直撃。  バキィィィィィィィン!!  凄まじい破壊音と共に支柱が消滅し、天井から大量の土砂が降り注ぐ。


「エリカさん! 魔物じゃなくて建物と戦ってどうするんですか! こっちに来ます、来ちゃいます!」  リノの悲鳴。  イエティは自分を狙って外れた「一撃の威力」に本能的な恐怖を感じたのか、逆に激昂し、氷の棍棒を頭上で猛然と振り回した。


「……ミラ、あいつのどこを狙えばいいの!?」 「あいつの胸のあたり! 毛が薄くなって、青く光ってる『氷核』があるでしょ! あそこを壊せば止まる!」


 ミラが指差す先、巨獣の胸部には確かに、魔力を蓄えた水晶のような核が埋まっていた。  だが、エリカの「投擲」が当たる確率は、宝くじの一等に当選するよりも低い。


「……わかった。当てるのが無理なら、……いっぱい投げればいいんだよね!」


 エリカの思考が、ついに「数で攻める」という物量作戦に到達した。  彼女は周囲に散らばる岩、氷、折れた支柱、果てはマーカスが落とした予備の鞘まで、手当たり次第に両手で掴み始めた。


「リノ、魔力を貸して! ……いくよ、エリカ特製……超高速雪合戦!!」


 シュッ、シュバッ、ドゴォォォン!!


 エリカの両腕が残像となるほどの速度で回転し、拾い上げた瓦礫が次々と射出される。  一発目:天井。  二発目:床。  三発目:マーカスの足元(「ぎゃっ!?」)。  四発目:ミラの鼻先数センチ(「殺す気か!?」)。


 狙いはことごとく外れている。しかし、周囲の壁や床に次々と着弾する「質量兵器」の破片が、四方八方からイエティに襲いかかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ