表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無限の巡力で人類最強!? ハイパワーロボットでステルスダンジョン攻略!!  作者: 弓屋 晶都


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/32

第3話 足手まとい

「ひぇぇ……」

情けない声を上げる彼女の腕をひとまず離して「走るぞ」と声をかける。

あいつらがこの角につくまでに次の角に辿り着けば、あいつらから俺達は狙えない。


「あれって、捕捉液ですよね……」

隣を走る彼女が呟く。

ああ、あれが固くなって、ニュースでよく見るバキバキのやつになるのか。


こんな風に生活地区に突然モンスターが現れる事はたまにある。

ランダムゲートがいつどこに開くか、正確なところは誰にもわからないからだ。

それでも、磁場の乱れやらなにやら難しい研究をしてる人達が、毎日の地区ごとのランダムゲート発生率を発表している。


それが30%を越えれば、学校はオンライン登校となり、50%を越えれば休校になり『自主避難を推奨』となる。まあ、最近では皆慣れてしまったのか、自主避難する奴も少ないが。


おそらくこの近くにランダムゲートが開いてしまったんだろう。

朝の予報では発生率は5%だったのにな。

これだから予報は当てにならないなんて言われてしまうわけだ。


不意にぞくりと悪寒を感じて振り返る。

ようやくさっきの角までやってきたらしいモンスターが、こちらに足を広げようとしている。

捕捉液はこんな距離まで届くってのか。


「まずい。教室に――」

廊下に並ぶ教室は技術室に家庭科室、鍵がかかっている可能性が高い。

彼女も一つ二つと扉を引くが開く様子はない。


「あっ、トイレ!」

彼女が叫ぶが、その先のトイレは女子トイレで、男子トイレはさらに向こうだ。

「いいから早くぅ!」

彼女に強引に腕を引かれて、俺の車椅子は片輪走行で女子トイレの入り口に入った。

次いでベシャベシャっと聞こえた音。


……いや、思ったよりも遠いな……?


そろりと入り口からのぞけば、捕捉液は技術室にすら届かないあたりに小さく山を作っていた。

続いて、残りの二体も捕捉液らしきものを吐く。

それも、さっきとあまり変わらないあたりに着地した。


「なんだ、ここまでは届かないのか」

「今のうちに逃げましょうっ」

「ああ」

と走り出してから、ふと思う。


「君だけ逃げればいいんじゃないか?」

俺は久しく測っていないが、小学校入学時の巡力測定ではごく一般的な量だ。


「わっ、私一人で逃げるんですか!?」

彼女の足が止まる。

「止まるな、追いつかれるぞ!」

俺の声に二、三歩進んだ彼女が、また立ち止まって不安げに振り返る。


「くそっ」

俺は仕方なくハンドリムを掴んでぐんと漕いだ。


「言っとくが、俺が足手まといになる可能性の方が高いんだからな!?」

「は、はいっ、ごめんなさいぃっ」

「別に叱ってるわけじゃない。危なくなったら俺を置いて逃げろって事だ」

「……っ、そんなこと……」


次の角を目指して全力で走る。チラと後ろを見るが、モンスター達はまだ姿を表さない。

……なんだ? 足が遅いとはいえ、こっちだって少しもたついた。もう姿を見せてもいいはずだが……。


この角を曲がれば、最初に彼女が囲まれていた二年の教室の廊下だ。

教室の前にはもう誰もいない。俺たちが走り回っているうちに全員避難できたようだ。


ホッとした途端、教室側の廊下から人影……じゃない、これはモンスターだ!

振り返れば、こちらの廊下からはモンスターが二体。


「二手に分かれたのか。足は遅くても、頭は使えるんだな」

ゴクリ。と自分の喉が鳴る音が、やけに大きく聞こえた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ