第70話.よふかしのふたり(前編)
「お、俺の好きなプレイ!?な、何を言ってるんですか、詩織さん!?」
「ん?ウチ、そんな変なこと言っとる?」
「いや、だって、そんな、唐突な話……」
「和哉には言ってなかったけど、ウチの中では決めとったんよ。和哉がメニューを考えてくれたら、ウチからも何か”お返し”をしようって///」
「お返しなんて、そんな……俺は別に見返りを求めてなんか……」
「分かってるよ、和哉がそういう人だってこと……やけどね、ウチがしたいんよ……コレはね、ウチが和哉に、何かしてあげたいって話なんよ」
「……何かって、何をですか?」
「そんなん、年頃の男の子やったら、エッチな願望なんて幾らでもあるやろw何でも言ってみ、お姉ちゃんが叶えてあげるよ、和哉のヤりたいこと♡」
「何でもって、そんな……急に言われても……」
「はぁ〜、そっか〜、お姉さん、和哉に女として求められてないんやね〜。悲しいな〜、ショックだな〜、凹むな〜、ヨヨヨ」シクシク
「……あぁー、もう、分かりましたよ!言います、お願いを言いますから、その下手な泣き真似は止めてください!」
「んじゃ和哉、初日のお願いは何をご所望かな?」
「そうですね……」
「あ、先にひとつ言っておくけど……”本番”は流石に無しね///あはは///」
「んなっ!?///ほ、本番っ!?///」
「初日から本番は……まだ心の準備ができてないからさ……///だから、最初はお手柔らかに頼むよ///」
!?
”まだ”ってことは、最終的にはOK……ってことなのか!?
い、いいのか!?R15版だぞ、これ!?
と、とりあえず、その件は一端横に置いといてだな……
「ん〜、そうですね……それじゃあやっぱり、最初は”おっぱい”とかですかね……///」
「ふふ、言うと思ったw和哉、いっつもウチの胸に目がいってるもんねw」
「あはは、やっぱ男の視線って気付かれてるんですね」
「和哉の視線なんて、その中でも特に露骨やしねwチラ見どころかガン見じゃんw和哉の周りの女の子たちも、みんな気づいてるけど指摘してないだけやよ」
マジか……黙認してくれてサンキューな、緑川。
「まぁ、男の子だし仕方ないよねwんで、その和哉君は、ウチのおっぱいに対してどういう事をしたいん?見たいん?触りたいん?」
ニマニマと、それこそ当に年下の男をからかうような笑みを浮かべながら、俺の顔を覗き込んでくる詩織さん。
そんなの、答えは決まっている……
「……見たいし、触りたいです///」
「って言っても、急に見られるのは流石にウチも恥ずいから、先ずは服の上からお触りということで勘弁してもらえますか……///」
頬を赤らめ、視線を逸らしながら、そんな初心な事を言ってくる彼女。
余裕ありげな年上キャラ振っていたのに、その体裁はいとも容易く崩壊したようだ。
そんな彼女の反応が余りにも可愛らしくて、悪いなと思いつつも、俺は思わず顔がニヤけてしまった。
「な、なんよ、その顔!///なんかウチのことバカにしてない!?///」
「いや、すみませんw詩織さんが余りにも可愛くて、ついw」
「なっ!?///か、可愛いって、そんな……///」
身体をモジモジと揺すり、モゴモゴと取り乱す彼女。
だからそういう反応が、愛くるしいんだよなぁ。
「そ、そういうお世辞はいいからさ///……ほら、和哉、おっぱい触っていいよ♡」
当然、お世辞ではなく素直な本心なのだが……
照れ隠しからか話を逸らそうとした彼女は、自らの身体を俺に向け差し出してきた。
「はい、どうぞ♡」
ごくりっ……///
まさか、詩織さんの”桃マン”を揉める展開になろうとは、俺は前世にてどれ程の徳を積んできたのだろうか?
「では、失礼して……///」
俺は、ゆっくりと、彼女の胸元でTシャツを押し上げるその膨らみへと手を伸ばす。
そして……
ふにっ。
「んっ///」
ぬおっ!♡や、柔らけー!♡
Tシャツとブラ越しではあるが、その柔らかさは格別であった。
その”桃マン”の触り心地に魅せられた俺の手は、止まることなく動き続ける。
むにむに。
「んあっ……///」
むにむに。
「んんっ……///」
この感触……た、たまんねーな、おいっ!///
その手に伝わる柔らかさもさることながら、彼女の口から溢れ出る熱い吐息が、俺の気持ちを更に昂らせる。
むにむに。
むにむに。
あぁ〜、幸せなんじゃあ〜♡
「んっ……///か、和哉の手つき、なんかイヤらしいよ……///」
「し、仕方ないじゃないですか……だって今、イヤらしい事をしてるんですから///」
「そ、それはそうなんやけど……んっ///」
……やべー。
すげームラムラしてきたな……
「……じゃあ和哉、もう1段階ランクアップしてみよっか///」
「ほえ?」
そう言って詩織さんは、両手を背中側に回してモゾモゾと動いたかと思うと……
「よいしょっと」
スルッと、着用していたピンクのブラを取り外した。
んなっ!?///なんとっ!?///
「はい、和哉、どうぞ///」
手に持っていたブラをカウンターテーブルに置いた詩織さんは、先程と同様に身体を俺に向け差し出してきた。
その彼女のTシャツの膨らみの頂点には、ノーブラである事の確固たる証拠である、プクリとした小さな突起が存在を主張している。
ごくりっ……///
「……では、失礼して///」
ふにっ。
「んあっ///……ヤバっ、さっきよりも、これ、和哉の手の感触が……///」
すみません、詩織さん……
拙者も、さっきよりもマズいでござるよ……///
ふにふに、ふにふに。
Tシャツ越しにではあるが、掌に伝わる”桃マン”の感触は、先程とは比べ物にならない程の柔らかさであった。
ふにふに。
「んんんっ///」
ふにふに。
「んはっ///んっ///」
ふぅーっ///ふぅーっ///
言葉は交わさずとも、お互いの鼻息が荒くなっているという事実が、2人の興奮度の高まりを物語っていた。
「……か、和哉///あのさ……触るだけじゃなくて、やっば、見たいよね///」
「……正直、見たいですね///」
「わ、分かったよ……恥ずかしいけど、和哉には見せてあげる……///和哉だから、見せてあげるね///」
恥じらいの感情を隠しきれないながらも、覚悟を決めた表情の彼女。
Tシャツの裾に手を掛け、そして……
ピタッと、その身体がフリーズした。
ん?
「……し、詩織さん?」
「か、和哉……その……///明るいところで見られるんは恥ずいからさ……電気、もうちょい暗くしてもいい?///」
その、余りにも可愛過ぎる申し出に対し、俺は今日イチのニヤけ顔を彼女へプレゼントする事になった。




