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【R15版】妹よ、俺をオカズに致すなよ! 〜変態兄妹の特殊性癖女子攻略作戦〜  作者: カグラ
第7章 唾液バイトテロJD【朱里詩織】

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第68話.飲ま飲まイェイ(前編)

翌日の木曜日、夜22時。


というわけで……いや、ぶっちゃけどういうわけかは全くわからんが、円香率いるヨダレンジャー達と唾液料理勝負をする事になった俺と詩織さんは、今日からそのクッキングバトルに向けての料理の選定を行う事になる。


最初に円香が”今回も別行動”だと言っていたのは、つまりはお互いが別陣営になって闘うという事の示唆だったというわけか。


審査員サイドである俺が詩織さん陣営にいるのも不思議な感じではあるが、そもそもの目的として、彼女に”最高の唾液料理を作った”という達成感を与えられればそれで良いのだろう。


クッキングバトル自体はあくまでもその為の手段であり、勝敗の結果は二の次だ。

だから、真剣勝負としてある程度の体裁は保ちつつも、勝ち負けに拘る必要はないはずだとは思うのだが……


ピロン♪

ん?なんだ?

円香からRINEが送られてきたので開く。


『言い忘れてたけど、今回の料理勝負、勝った人には賞品があるよ!』

『賞品?何が当たるんだ?』


『お兄ちゃんを自由に使える券(3時間コース)だよ!』


俺の知らない内に、俺の人権が賞品になってる!?

なんだよ3時間コースって、わしゃレンタル彼氏か!?


『まさか絵美があんな乗り気だったのって……』

『モチのロン、その賞品目当てだよ!』


この展開はマズいな……

絵美には毛呂温泉での前科があるし、円香と春子(アホ2人)にだって何をやらされるか……


『というわけだからヨロシクね”賞品”君!んじゃ、アリーヴェデルチッチ〜♡』


クソッ、今回の料理勝負、負けられない闘いになっちまったじゃねーか!


「詩織さん!この料理バトル、絶対に勝ちましょうね!!!」

「おぉ!和哉がめっちゃヤル気になっとる!うん、まかせて!フルメタル・ダエキニストの称号は、ウチが必ず手に入れるからね!」


「あ、いや、別にその称号はいらないんですけど……」

「ん?じゃあ、なんでそんなヤル気になってんの?」


「勝った人には、どうやら俺を好きにできる権利が授与されるらしいんですよ……ソレがアイツらの手に渡ろうもんなら……あぁ、想像したくもない。詩織さん、この料理勝負、なんとしても勝ってください!そして、俺の人権を守ってください!」


「ふ〜ん、そっか、和哉を好きにできる権利か……///よーし、和哉、この勝負、絶対勝とうね!!!」


おお、詩織さんの瞳に赤い炎が宿っている!

ヤツらの魔の手から俺を救う為に、こんな熱くなってくれるなんて……ありがとうございます、詩織さん!この勝負、絶対に勝ちましょう!






「では、最初のお題である”ドリンク”について、メニューを考案していきましょう」

「はい、よろしくお願いします、コーチ!」


なんで俺がコーチなのかはわからんが、どうやら詩織さんはこういうノリがお好きなようなので、とりあえずそういう(てい)で行くのも悪くはないか。


「詩織さん、とりあえず、”下手な鉄砲数撃ちゃ当たる戦法”で行きましょう!」

「了解です、隊長!」


コーチの設定は何処にいったんだ?



******



「では、エントリーナンバー1番、いきますよ親方!」

……もう俺はツッコまんぞ。


そう言って水をゴキュッと口に含んだ彼女は、俺が手に持っている空のグラスに向け顔を近づける。

そして……


グジュグジュ、ペッ!

ビシャッ!


空だったグラスに、彼女の口腔内から吐き出された液体が注がれた。

「改めまして、エントリーナンバー1番、”詩織の天然水”です!どうぞ、ご賞味ください!」


コレに関しては、既に何回も頂いているので今更多くを語るまでもないだろう。

……コレが既にデフォルトな時点で、かなりの異常事態ではあるのだが。


俺は、その天然水を口へ運び、一気に飲み干していく。

ゴクッゴクッゴクッ。


「どう、和哉?美味しい?///」

「ん〜、ぶっちゃけ視覚情報として興奮はするけど、味自体はその飲み物の味がそのままフィードバックされるんで、ただの”温い水”っていったらそうなんですよね〜」


「なるほど〜。じゃあ、コレをとりあえずの基準やとして、次、いってみるね」



******



「では、続きまして、エントリーナンバー2番”詩織の天然水改”です!」


そう言って彼女は、今度は事前にただの水が注がれている俺の手中のグラスの上へ顔を近づける。


そして、口をグチュグチュと数回動かした後、上下の唇の隙間から、トロ~っと粘度の高い唾液を滴り落とす。

着水した水面と彼女の口元の間に糸を引いていたその唾液が途切れ、ボトッとそのグラスの中へと吸い込まれていった。


「詩織さん、この唾液の粘度……もしかしなくても結構興奮してます?」

「もぅ〜、なんかそう改まって指摘されると照れるやん///」


我ながら少しイジワルだったようにも思えるが、彼女の可愛いらしい照れ顔が見られたので無礼講であろう。


改めて、手に持ったグラスを眺める。

先程まではただの水だった液体は、今は詩織さんの唾液入りの水へと変化している。


「和哉、コッチの混ぜ方はどうかな?」

結果として、”水+唾液”は同じなのだが、この2つはそこに至るまでの過程が異なる。


対象の液体を直接口に含むか、唾液を投下して混入するのか、その違いではあるのだが、果たしてどのルートが正解なのだろうか?


「和哉としては、どっちの方が良かった?」

「良い悪いを判断するのは難しい質問ですけど、初見の時に、いきなり口からマーライオンの如く水を吐き出された時は流石に驚きましたね。俺としては、水に唾液を垂らす方がスタンダードだと思っていたので」


「じゃあ、和哉的には飲み物に唾液を垂らすスタイルの方が良いって事なん?」

「ん〜、でも、詩織さんが最初にそうしていたって事は、”マーライオン”スタイルの方が自分の性癖にマッチしているってことですよね」


「うん、そうやね。今続けて2パターン試してみて改めて思ったんやけど、口に入れてから吐き出す方がウチの好みなんやと思うわ」

「じゃあ、その路線で発展させていきましょう。詩織さんの気持ちが最も重要ですし、それに、おそらく円香陣営はその”液体に唾液を注ぐ”スタイルで来ると思うので明確な差別化もできますし」


「相手の出方が予想できるとか凄いやん和哉!流石はウチが見込んだ男なだけはあるな!」

いや、普通に考えて、飲み物に唾液を混入するというテーマにおいて、その飲み物自体を全て口に含んだ後に吐き出すという発想は常人には辿り着けない境地だと踏んだだけなのだが……


「流石は師匠、唾液料理巧者なだけはあるなぁ〜」

違うよ詩織さん、俺はそんな謎ジャンルの巧者ではないし、あなたがストロングスタイルに徹しているだけなんだよ。



******



「じゃあ、方向性が定まったところで、次は何の飲料を採用するかですね」

「ん〜、それじゃあ、この店のソフトドリンクのメニューを参考に順番にやってみようか!」


そう言って、2人でメニュー表を覗き込む。

「え〜と、ウーロン茶,緑茶,コーラ,ジンジャーエール,カルビス,100%オレンジジュース……まぁ、飲食店によくあるラインナップやね」

「とりあえず、上から順番にやってみますか」


そうして、順番にウーロン茶と緑茶で試してはみたが、コレに関しては水と大した差は感じられなかった。


「じゃあ次は、コーラですね」

「うん、任せて!」


コーラを口に含んだ詩織さんは、水やお茶でしていたそれと同様に、マウスウォッシュの様に口の中で数回グジュグジュと音を鳴らして唾液を存分に混ぜ合わせた後、俺の手中の空のグラスに目掛けて吐き出した。


グジュグジュ、ペッ。

炭酸飲料特有の泡が弾けるシュワシュワ音が収まるのを待って、俺はその独特なカラメル色の液体を口に含んだ。


ゴクッゴクッゴクッ。

「オイオイオイ、このコーラ、完全に炭酸が抜けちゃいましたね」

口の中が、一気に甘ったるい余韻に支配される。


「ん〜、炭酸抜きコーラか〜、ソレはシンプルに美味しくないしダメやね」

「詩織さんがNGなら却下ですね」


「ん?和哉は炭酸の抜けたコーラも飲める感じ?」

「あ、いや、好きではないんですけど、炭酸有りコーラが詩織さんの口の中で炭酸抜きコーラに”変化”する点が面白いなって思っただけですよ」


「なるほど、”変化”ね……ただ口に含んで唾液を混入するだけじゃなくて、何かしらの分かりやすい”違い”を演出するのはいい発想かもしれんね」

「はい、ソレが勝敗を分ける鍵になると思います」


ドリンクの勝負は、対象自体がシンプルだからこそ、いかにインパクトがあるかを重点的に検討した方がよさそうだ。



******



「んじゃ、次はカルビスね」

そう言って詩織さんは、白濁色の乳酸菌飲料を口の中に含んだ。


この飲料に関しては、特別な特異性もなさそうだし、余り期待はできないか……

ん?白濁色、だと……


詩織さんは、例のごとくその口の中に含んだカルビスを、空のグラスへ向け吐き出した。

グジュグジュ、ペッ。


「はい、和哉、詩織印のカルビスをどうぞ♡」

「はい」


ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ。

俺は、詩織さん印のカルビスを一息で飲み干した。


「ふぅ、ご馳走様です」

「いや〜、いい飲みっぷりだね〜///」


「……詩織さん、1ついいですか?」

「ん?な〜に?」


「カルビスを、もう一度口に含んでもらってもいいですか?」

「ん?おかわりをご所望かな?なんか掴めそうな感じなん?」


「ええ、まぁ、そんな感じです。なので、もう一度お願いします。あと、できれば口いっぱいにではなくて、少し量は抑えめでお願いできますか?」

「うん?とりあえず、少なめでいいんやね」


そう言って彼女は、俺の要望通りに、口内の容量の4分の1程度と思われる分量のカルビスを改めて口に含んだ。


来た!

この好機、逃すわけにはいかん!


俺は、ニチャアとイヤらしい笑みを浮かべながら、ベロリと気色悪く舌舐めずりをした。

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