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第2話.兄のベッドの上でアイを叫んだケモノ ※円香 視点回

青山円香 視点の女性キャラ主役回です。

ガチャ。


放課後の17時40分、私は自宅の鍵を開けた。


「ただいま〜」


返事がないことはわかっているけど、なんとなく呟いてしまういつもの癖。


これまたいつもの習慣の通り、玄関の定位置に靴を揃える。持っていたカバンと、真新しいブレザーとプリーツスカートをリビングのソファーに投げ置いて、シャワーをしようと浴室へ向かう。





ガラッ。


5月とはいえまだ少し肌寒い脱衣室。


シャツを脱ぎ、上下下着だけの姿になると、鏡に映るその自らの肢体に目を向ける。


オレンジ色の、フリルの付いた、お兄ちゃん好みの可愛いヤツ。


年相応と表現しがたい成長著しい身体には、少し不釣り合いなデザインに思われたが、そのギャップがお兄ちゃんを含む界隈には刺さるらしい。


バストサイズの関係で、平均値より少し価格が割高なブラジャーのホックを外す。


窮屈そうに拘束されていたFカップが、ブルンっと嬉しそうに弾みながら解放された。


むむ、また少し大きくなってないか?


サイズアップによる嬉しさが無いわけではないが、ここまで育ってしまえば、ブラジャー代に消えるお小遣いの手痛い出費に頭を悩ませてしまう。


ブルッと身震いに併せて、肌寒さでほんのり固く隆起した桃色の先端が揺れた。


いけない、いけない、風邪ひいちゃうよ。


自らの胸部の観察を切り上げ、ショーツに手を掛け、左足,右足と抜き取った。


温もり冷めやらぬその下着を、お兄ちゃんの目に付きやすいように脱衣カゴに収め、浴室の扉を開けた。





上げすぎた設定温度を少し下げながらシャワーを頭から浴びる。


流線形と形容するにはメリハリ強めな肌の上で、水滴が踊り弾ける。


どうせ後から改めてお風呂に入るのだからと、シャンプーもコンディショナーもボディーソープも通常より簡単に済ませ、早々に浴室を後にする。


昨日は稼働させなかった洗濯機の中からお目当ての物を手に取り、身体にバスタオルを巻いて自室へ向かった。





下着ケースを見ながら、どれを着用しようか少し悩んでいたが、どうせこれから直ぐに汚れることになるのだと思い至り、適当に1番手前のショーツを身に着けた。


これまた早々に自室を後にし、目的地へ辿り着く。


時刻は午後18時30分。

場所は、青山和哉の部屋。






···

ふと、眠りから目覚めた。


ここは···お兄ちゃんの、部屋。


帰宅して、シャワーをして、自室でショーツを着用し、それから。


お兄ちゃんの部屋でベッドにボフッとダイブしたところまでは覚えている。


疲れていたのか、シャワー後の心地良さの相乗効果もあり、どうやらそのまま眠ってしまっていたらしい。


お兄ちゃんに出かけると嘘をついてまで手に入れたこのゴールデンタイム、うかうかと無駄にはできない。


ちょっとセンスが悪めの掛け時計で時間を確認する。


時刻は19時30分を回ったところ。


おおよそ1時間ロスしたわけだが、お兄ちゃんの帰宅まで、余裕をみてまだ2時間近くある。

大丈夫、まだ慌てるような時間じゃない。





寝返りをうち、ベッドの上で仰向けになる。


補正されていないので多少重力の影響を受けてはいるが、若さにものを云わせた張りのあるお椀型の胸が、ツンっと天井を仰ぎ見る。


左手は添えるだけ。

片手に握っていた、先程脱衣室から奪取してきた、昨日お兄ちゃんが着用していた未洗濯のパンツを自らの顔に掛けた。


すーぅー、すーぅー。


お兄ちゃんの、男の匂いと、オスの臭いが混ざり合い、嗅覚が直接脳を刺激する。


あぁ、これヤバっ···脳が、犯されてるっ···


お兄ちゃんのイカ臭いパンツの臭いキメて、トロんとしたアヘ顔晒しちゃってる···


童貞でブサイクで頭も悪くて運動もできない、客観的に見てどうしようもない、そんな男の着用済み未洗濯パンツに発情する、シコ猿以下のメス犬だってこと、わからされちゃってるっ···


「お兄ちゃん、お兄ちゃん、好き、好き、大好き···」


身体の火照りと心の昂りに連動するように、自然と両手が動いた。


左手は胸に、右手は下半身に。

まるで別の生き物のように、無意識下で激しく動く。


すーぅー。すーぅー。


臭いを嗅ぐたび、快楽中枢に電動ドリルをぶち込まれたような、そんな強烈な刺激に侵され、言葉にならない音が口から漏れる。


「おっ、ヤバっっっ、おっ、おっ」


弄る右手と左手のギアが更に上がる。


これは、もう、イきそうっ!!





「円香···お前、何やってるんだよっ···」


どうやら私の愚兄は、顔と頭以上に、タイミングも悪いようだ。

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