第42話.露出症候群 ※楓 視点回
緑川楓視点、女性キャラ主役回です。
長かった5章もついに最終回!!
ここまでお付き合い頂きありがとうございます。
引き続き、第6章に続きます
今後も応援宜しくお願い致します。
黒峰家のリムジンで送迎してもらった後、私は自宅の玄関に向かうことなく、カーポート横に駐めてある愛用の自転車にまたがった。
咲夜さんから頂いた小包をカゴに入れ、ペダルをこぎ、目的地を目指して出発する。
これから行う予定の、いつもと趣の異なる露出プレイを想像し、私の胸はいつも以上に高鳴っていた。
これじゃあ、青山君のことをとやかく言う資格はないわね。
私も、あのスケベな童貞と相違ない。
エロい事が好きで好きでたまらない、品のない変態である事に違いはないのだ。
むしろ、下手に取り繕おうと足掻く分、私の方が幾分もタチが悪いかもね。
いっそ、青山君みたいにオープンに開き直った方が楽なのかしら。
吾輩は、変態である。
名前は、緑川楓。
天候は快晴、見上げる夜空に雲は無く。
濡れたサドルに熱が帯び、昼間の喧騒は夢のあと。
今宵も、私を照らす月は綺麗だ。
程なくして、目的地へ到着する。
初めて白ワンピースをたくし上げて露出を行って以来、私の露出活動の”聖地”となっている穂渡宵公園だ。
公園へ向かう道中は、月明かり頼りの薄暗い道が続いていたが、この公園はソコソコの規模の公園ということもあり、園内はポツポツと外灯の明かりで照らされ、比較的視界は良好な環境だ。
その環境に反して、近隣の住宅街からは名前の通り程よく離れており、夜の人通りはほとんど無いというコンディションが、私の性癖と相性抜群である。
おまけに、服を脱ぎ着するのに適した東屋も点在しているのだ。
この環境を前にして露出をしない方が、逆に失礼というものであろう。
過去色々な場所で夜な夜な露出を行ってきたが、やはりこの公園が1番しっくりくる。
あの日の夜、この場所で露出の神様が微笑んだあの瞬間から、ここは私のかけがえのない夜のシークレットベースだ。
いつも利用している使い慣れた東屋に備え付けられている、私の特等席の木製ベンチに腰掛け、咲夜さんにお願いして提供してもらった小包を開封し、その中身を取り出す。
私のMVPの賞品。
ミミ子の戦闘服である、例の逆バニー衣装だ。
今宵の露出プレイで使用する為、恥を忍んで咲夜さんに譲って欲しいと自ら進言して手に入れた品だ。
全裸スタイルが私の最近のトレンドだが、撮影で着用した際の羞恥心と表裏一体の快感が忘れられず、今こうして私は自らの意思で変態衣装に再び身を包もうとしているのだ。
今宵の私は、月夜に照らされる逆バニーガール。
さぁ、夜のスペシャルステージの開演だ。
逆バニー衣装に着替え終えた私。
胸元に目を向けると、ハート型のニップレスからは、相変わらず下品な乳輪が大胆にお目見えしている。
正直、このデカい乳輪は私にとってはコンプレックスでしかないのだが、なぜか青山君からの評価はやたらと高い。
彼は、こんな下品で不格好な乳輪の、いったい何が好ましいというのだろうか。
実はデカい乳房本体が好きなだけで、乳輪については皮肉混じりにからかっているだけとか···
って、何で自分の乳を見てあの童貞野郎のことを思い浮かべてるんだ、私は。
ほんと、最近は調子が狂う。
何かにつけてあんなヤツのことをついつい考えてしまう私は、いったいどうしたというのだろうか。
まさか···
いや、流石にそれは無いか···
”そんな事”が有り得たら、とんだ異常性癖だ。
野外露出どころの騒ぎではない。
···まさか、まさか、ね。
外灯下のベンチに、動画撮影をONにしたスマホをセットする。
そして、道中自転車をこぎながら考えていた、私なりの”ドスケベ逆バニーガール”の演技をスタートする。
私による、私の為の、私だけの夜の撮影会の幕開けだ。
普段は全裸なので、現在の逆バニー衣装の方が幾分か肌面積は少ないにも関わらず、それに反比例するように、私の興奮度はいつもよりもはるかに高まっていた。
こんな姿、絶対にアイツには見せられない···
って、私、またアイツのこと考えてる、バカみたい。
興奮しすぎてどうにかなっているのかもしれない。
それは、そう、発情期のメス兎みたいに。
ポン。
ベンチからスマホを回収し、動画撮影を停める。
我ながら、流石に酷い内容だと自分を責めたくなる気持ちを抑えつつ、私は、今しがた撮影したばかりの自撮り動画の再生マークをタッチした。
『やっほー♡みんなのオナサポアイドル、ドスケベ逆バニーガールのカエデちゃんだピョン♡』
『非モテ男子のみんな、あたしのたわわに育ったエッチなカラダをオカズに、いっぱいシコシコして気持ちよくなって欲しいピョン♡』
ピタッ。
一度動画を停止する。
うん、思ってたよりも、酷いなコレ。
かつて私が不本意ながらあの童貞へ提供するはめになった”あたシコ許可証”から着想を得て演技に落とし込んでみたわけだが、悪ノリが過ぎるだろうか。
とりあえず、せっかく撮ったし最後まで見ることにしよう。
『みんな、ティッシュの準備はできたかな?』
『これから、カエデちゃんのエッチな姿をいっぱい見せてあげるけど、すぐに出しちゃったらダメだピョン♡ちゃんとガマンしてから、最後におもいっきり”ぴゅっぴゅっ”した方が気持ちいいからね♡』
『カエデちゃんとの約束を守ってくれたら、最後にとっておきのエッチな姿を見せてあげるから、頑張ってガマンするピョン♡』
『異性と縁遠い童貞のみんなに、女の子のカラダの魅力をカエデが教えてあげるピョン♡それじゃあ童貞さんたち!カエデをオカズに、レッツ、シコシコ♡』
ピタッ。
1つ目の動画が終わった。
ヤバい。
我ながら、コレはやり過ぎたかもしれない···
こんなの、絶対アイツには見せられない。
一度気持ちを落ち着かせて、次の動画を再生する。
『それじゃあ変態さんたち、カエデのジャンプと手の動きに合わせて、一緒に右手を動かすピョン♡』
『シコシコピョンピョン☆彡』
『シコシコピョンピョン☆彡』
『シコシコピョンピョン☆彡』
『シコシコピョンピョン☆彡』
『どうかな?みんなもちろん、まだガマンできてるよね?』
『えっ!?うそっ、もう出ちゃったの!?』
『どうしようもない早漏さんだね〜(ニヤニヤ』
『でも、そんなクソザコ”えのき”のみんなも安心するピョン♡』
『カエデちゃんはみんなのオナペットだから、みんなが満足するまで、い〜っぱいオカズを提供してあ・げ・る♡』
『カエデのドスケベなカラダ、心ゆくまで堪能するピョン♡』
『金◯空っぽになるまで、レッツ、シコシコ♡』
ピタッ。
2つ目の動画が終わった。
画面内のハイテンション痴女の痴態に呆れつつも、私はめげずに次の動画の再生マークをタッチした。
『次は、カエデ自慢のHカップの爆乳”デカメロン”の動きに合わせて、一緒に右手を動かすピョン♡』
『その前に〜♡』
『こんなジャマなニップレスなんて、ポイだ♡』
『ほ〜ら、これで丸見えだピョン♡』
『それじゃあ、いくよ!生”デカメロン”を召し上がれ♡』
『ゆさゆさピョンピョン☆彡』
『左右にピョンピョン☆彡』
『ゆさゆさピョンピョン☆彡』
『上下にピョンピョン☆彡』
『どうですか〜、デカ乳輪Hカップの乳揺れを見ながらシコシコするの、気持ちいいですか〜♡』
『カエデの”デカメロン”は、みんなのオカズになる為に、ここまで大きく育ったピョン♡みんなにシコシコしてもらえて、カエデちゃん嬉しいピョン♡』
ピタッ。
3つ目の動画が終わった。
なんだろう、このノリが段々癖になってきたように感じる。
やはり私は、どうしようもない変態のようだ。
4〜8つ目の動画を見終えた後、私は続けて9つ目の動画の再生を開始した。
『それじゃあそろそろクライマックスだよ!カエデがお尻を上下に動かすから、その腰振りの動きに合わせて、みんなも一緒に右手を動かすピョン♡』
『ぱこぱこピョンピョン☆彡』
『はめはめピョンピョン☆彡』
『ぱこぱこピョンピョン☆彡』
『はめはめピョンピョン☆彡』
『みんな、カエデの桃尻を見て、興奮してくれましたか?』
『え?ものたりない?それじゃあ、とっておきの大サービスしちゃうピョン♡』
『こんな前バリなんて、ポイだ!』
『この状態で、必殺技決めちゃうよー!』
『ブラウン・アスタリスク・ボンバー♡♡♡』
『からの〜』
『エクスタシー・ホエール・スプラッシュ♡♡♡』
『カエデの丸見えスペシャルコンボ、みんなはガマンできたかな♡』
『ここまでガマンできたみんな、ご褒美に、最後はカエデのとっておきを見せてあげるから、おもいっきり”ぴゅっぴゅっ”して気持ちよくなってね♡』
最後の”とっておき”を撮影する為に、ベンチにスマホをセットする。
ポーズからして掛け声は、
『くぱぁくぱぁピョンピョン☆彡』
が適切だろうか、と考えながら体制を整えようとしたところで。
「おい!ジョン、スミス、待てって、おい!」
突然、男性の声が近づいてきた。
え!?こんな時間に人!?ウソ、ヤバッ、見られる、隠れなきゃ!!!
ベンチから急いでスマホを回収し、声がした方向と逆側へ向け逃走する。
クソっ、急いでいる時は、このデカい乳が邪魔で仕方がない。
滑り込むように東屋の陰に身を潜める。
とりあえず、見つかってはいないだろう。
「どうしたんだ、ジョン、スミス、急に駆け出しやがって。何か変なモノでも見つけたのか?」
程なくして、2匹の小型犬を連れた見知らぬ若い男性が現れた。
どうやら、急にジョン君とスミス君が駆け出したので慌てたようだ。
こんな夜更けに、なんと人騒がせな。
まぁ、こんな夜更けに野外露出しながら自撮りしている痴女に非難される筋合いは彼にはないのだけど。
男性と2匹のワンちゃんが歩き去ってから3分程経った。
辺りはいつも通りの静寂に戻っている。
ふぅ、危ないところだった。
気持ちが落ち着いたところで、手に持っているスマホへ目を向ける。
···ん?···あれ?
ウソッ!?!?マジで!?!?
なんか、さっき撮影していたヤバい動画たちが、REINで転送されてるんですけど!?
急いでスマホを手に取ったせいで、画面に無作為に指が触れていた際に、運悪く処理が実行されてしまったらしい。
だ、誰に送ってる?まさか、パパやママじゃないよね···
送信先は、1人。
青山和哉だった。
クソ〜、よりによってあの童貞野郎か〜。
最悪だ···
ピロン♪
REINの通知音がなる。
その童貞からのメッセージだった。
『サンキュー、愛してるぜ、カエデちゃん♡』
悔しい。
誤送信先がコイツだったことが”不幸中の幸い”だと少し安堵していることが、どうしようもなく悔しかった。
今宵の逆バニーガールは、これでお開きだ。
とりあえず、明日は学校を休むピョン···
第5章
逆バニー戦士ミミ子ヲタク
黒峰咲夜編 完
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第6章
ボディペイント美術部
黄金井絵美編
to be continued




