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【R15版】妹よ、俺をオカズに致すなよ! 〜変態兄妹の特殊性癖女子攻略作戦〜  作者: カグラ
第5章 逆バニー戦士ミミ子ヲタク【黒峰咲夜】 

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第41話.お風呂場ラプソディ

「お兄ちゃん、起きて」

「···咲夜?···円香か···」


「うっわ、寝起きに別の女の名前呟かれるとか、マジ最悪なんですけど〜」


円香に体を揺すられ目覚めた俺は、例の和室で横になっていた。


辺りを見渡す。

円香も、春子も、緑川も、そして、咲夜もいる。


「おはよう、和くん」

いつも通り、これまでとなんら変わらない笑顔を俺に向ける彼女。


まさか、夢だったのか···






俺は、隣にいる円香のスカートをめくり上げた。


カバッ。

「いやん、お兄ちゃんのエッチ♡」


先程確認した通りの、青色のパンツ。

指差し確認していたおかげで、記憶は鮮明だ。


「春子、スカートをめくってくれ!」

「仰せのままに」


ガバッ。

春子が自らのスカートをたくし上げる。

こちらも先程確認した通りの、純白のパンツがお目見えした。


「爺やさん、緑川の今日のパンツは紺色だよな」

「はい、楓ちゃんの今日のおパンツは紺色で御座います」


「なんで爺やさんが私のパンツの色を把握してるのよ!」


「ちなみに明日のパンツ予報は?」

「明日は、ミントグリーンの確立が80%ですな」


「くそっ、当たってるし···なんで私の下着ローテがこのジジイに把握されてるのよ···」


まぁ、緑川の下着事情はとりあえず置いといて。


以上の検証結果から推察するに、やはり、咲夜との”夢物語”はどうやら夢オチではなかったようだ。






時刻は22時になろうかという頃合いになっていたので、俺たちは大人しくこれで帰ることにした。


黒峰家のリムジンの準備が整うまで、門の前でみんなで並んで待機する。


隣りにいる緑川に目を向けると、何やら茶色の小包を抱えていた。


「何だそれ?」

「あなたには関係ないものよ」

「それはね、緑ンのMVPの賞品だよ」


黒峰家からのご褒美か。

いったいどんな大層なモノなのだろうか。


「緑川さん、羨ましいです···私の”*”がもう少し下品であれば勝てたのに···」


「春タンも何か欲しいものがあったの?言ってくれれば何でもプレゼントするわよ」


「私、ハローサティちゃんのポップコーン製造機の筐体が欲しいのですが」

「いいわよ!明日、爺やに頼んでお家まで配送するわ」

「まぁ、ありがとうございます。桃瀬家の家宝にしますね」


あの筐体の搬入を手伝わされるであろう桃瀬家の方々が不憫(ふびん)でならない···






「和哉殿、青山様、お待たせしました」

リムジンの後部座席のドアが開かれる。


「じゃあね、咲夜さん」

「バイバイ、円カン」

先に、円香がリムジンに乗り込む。


「じゃあな、咲夜」

「またね、和くん♡」


別れを告げ、振り返り、リムジンに乗り込もうかというその時。


「痛っ!」

背後から、ガブッと、首すじに噛みつかれた。


耳元で、彼女が囁く。

「寝込みを襲うのはフェアじゃないから、今日のところは見逃してあげる。次までに、ちゃんと覚悟決めといてよね、ドウテイ♡」






リムジンに乗り込むと、円香から、ジトーとした目線が向けられる。


「お兄ちゃん、私たちが寝てる間に、咲夜さんと何かしてたの?」

「···ナニモシテナイヨ」


円香が、車内を覗きこむ咲夜を睨みつける。

が、咲夜はそんな事など微塵も意に介さず、あっけらかんといつも通りの調子で俺に笑顔を向ける。


「じゃあね、和くん、また近いうちに♡」


「あ、ああ、って、いてててててて!!!」

円香に、おもっくそ全力で太ももをつねられる。


「鼻の下伸ばしてんじゃねーよ、どアホ!」

プイッと、そっぽを向く妹のその可愛らしい嫉妬心が、俺を”夢物語”から現実へと引き戻してくれたような気がした。


円香、ありがとう。

帰ろう、俺たちの家へ。






「あ~、今日は疲れた〜」

帰宅するやいなや、リビングのソファーに倒れ込む。

このまま眠りにつきたいと思うほどには、心身共に疲れきっていた。


「起きて、お兄ちゃん、一緒にお風呂に入るよ!」


「···何で?」


「28話で約束してたじゃん。今回の章の最終話で、一緒にお風呂に入ってあげるって♡」


そういえば、そんな約束をしていたような気もするが、あまりよく覚えていないなぁ。

確認も兼ねて、もう一度28話から読み返してみようかな。


「お兄ちゃん、pv数稼ぎしようとするのヤメな。そんなんだからptが一向に増えないんだよ」


妹よ、お兄ちゃんに正論でダメ出しするのはヤメてくれ。






まぁ、久しぶりに兄妹仲良く風呂に入るのも悪くないか。

俺は、いそいそと服を脱ぎ捨てた。


「な、なんじゃこりゃー!!!」 

「どうしたの、お兄ちゃん!?鏡で自分の顔でも見たの!」


「お、俺の首すじとか鎖骨の下付近に、複数の謎の赤い跡が付いてんだよ!虫刺されか?いや、もしかして、緑川に盛られた毒草を誤飲したとか!?」


「お兄ちゃん、それ、キスマ···いや、多分、”悪い虫”に刺されちゃったんだね···」


やっぱり、虫刺されなのか?

まぁ、毒草よりかはマシか···






「···お兄ちゃん、なんか悪い予感がするから、とりあえずパンツ脱いでもらってもいいかな」


コイツは、各章1回は兄のパンツを脱がせるノルマでも強いられているのだろうか。


まぁ、お望みとあらば見せてやるか。


ポロン、もといボロン。


円香が顔を近づける。

クンクン。クンクン。


「若い女の乾いた唾液の臭いがするんだけど···」

?何言ってんだコイツ?頭ワいてんのか?


「くっそー!あの女郎蜘蛛(じょろうぐも)め!やられた!これ、R18完全版で咲夜さん視点のエピソードが追加されるパターンのヤツじゃん!タイトルは【スリーピング チェリー】とかそんな感じで!あの女ー、私の目が黒い内は許さんぞ!」


なんかよく分からんが···

円香、その黒目ルールが適応されていたとしても、咲夜が色々とやってた時、終始お前は泡吹いて白目だったぞ。






シコシコ、じゃなくて···

ゴシゴシ、ゴシゴシ。


「お兄ちゃんの背中洗うの久しぶりだね!小学3年生の時以来かな?懐かしいな〜」


そう言われ、当時を思い出し、ガラにもなくノスタルジックな感傷を感じる。


「俺たちも、もう大きくなったしな···」

「そうだね、私も立派に大きく育ったよ♡」


不意に、円香が抱きついてきた。

ボディーソープでコーティングされた”フニフニ”と”コリコリ”が背中を這うように押し付けられる。


「バカ、やめろ、これR15版だぞっ!」

「私はただ、突起のあるフニフニの”スポンジ”を押し当ててるだけだよ。それに、咲夜さんに負けてられないしね!」


円香、お前、そんなムキになるほど俺のことを咲夜に盗られたくないのか···

可愛いところあるじゃん///


「私、人気投票で咲夜さんに負けたくないの!」


凄く俗な理由からだった。

そもそも、人気投票をやる予定はないけど···


「お兄ちゃんは、誰に一票入れるつもり?」

「みど···円香ちゃんかな」

「やった!嬉しい、ありがとうお兄ちゃん♡」


円香さん、とりあえず、俺の首に突きつけられたその手刀を収めてもらえますか···






「お兄ちゃん、次は”タワシ”と”(つぼ)”、どっちで洗って欲しい?」


なんだその謎の選択肢は?

タワシはまだ分からんこともないが、壺でどうやって洗うんだ?


「う〜ん、急に聞かれても分からんなぁ」

「お兄ちゃんは昔から優柔不断だもんね。じゃあ、せっかくだし、どっちもやっちゃおうか♡」


そして、R15版では描写できない円香の”洗礼”を受けた俺は、見事なまでに骨抜きにされたのであった···






「···はぁ///」

···凄い体験だった。

まだ頭がボーと火照っている。


咲夜に対抗してR18完全版の追加要素を組み込みやがって···

コイツ、どこでこんなプレイの知識と技術を身につけてくるんだ···


湯船につかる俺の両足の間で、俺に背をあずける円香。


彼女の胸元でたゆたう”スポンジ”に目を奪われつつも、俺はつい咲夜のことを考えていた。







あのまま、俺が気絶していなかったら、どうなっていたのだろうか···


そんなifストーリーの断片が、頭の中を駆け巡っては消えてを繰り返す。


俺自身、結局のところ、あの時どうなることを望んでいたのだろうか?


気絶する瞬間、ホッとしたのも事実だし、惜しいと感じた気持ちも紛れもなく真実だった。


今更考えても意味は無いのだが、それでも考えずにはいられなかった。


俺はおそらく生涯をかけても、今日のあの時間の”答え”を、導き出すことはできないのだろう。






「お兄ちゃん、今、別の女のこと考えてたでしょ」

「···考えてねーよ」


「楓さんのことかな?春子さんのことかな?」

「だから、違うって」


「咲夜さんのことだよね、分かってるよ」


······

この場合、沈黙は肯定と同義だ。


例のごとく、『浮気者ー!!!』とぶん殴られるかと身構えたが、円香は静かに浴槽内で立ち上がった。


くるりと、俺の方を向く。

股の間から”ひじき”をつたい落ちる雫が、ポタポタと水面に波紋を作る。


そして、上体を屈めた彼女は、俺の頬に右手を添え、顔を覗き込んできた。


その美しい瞳に吸い込まれそうになり、半ば反射的に目を逸らす。


重力の影響を受け湯船へ向けタプンと垂れる、いつにも増してボリューム感のあるFカップへ視線が引き付けられる。


が、その下向きの視線を矯正されるように、円香の右手が頬からアゴに回され、グイッと力が加えられ顔を上向きにされる。


円香の顔と俺の顔が、2人の視線が、一直線上で向き合う。


見慣れているはずの彼女の顔があまりにも美しくて、俺は言葉を失っていた。


言葉を見失うほどに、目の前の女性は美しかった。





「お兄ちゃん、本当に大切なモノが何か、本当に大切な人が誰か、思い出させてあげる···」


円香の顔が、(くちびる)が、近づいてくる。


彼女が目を閉じたタイミングで、俺も追いかけるように目を閉じた。


ピロン♪ピロン♪ピロン♪ピロン♪ピロン♪ピロン♪ピロン♪ピロン♪ピロン♪


「な、なんだ!?REIN(レイン)のメッセージの通知音?」

脱衣場に置いてある俺のスマホから鳴り響く音に気を取られ、ハッと我に返った。


同じく、キョトンとした顔の円香と目が合う。

見つめ合い、そして、お互いに笑みがこぼれた。


「上がるか」

「だね、なんかそんなフインキじゃなくなったし」

フインキじゃなくて、雰囲気(ふんいき)な。


円香の言う通り、そういう雰囲気じゃなくなった俺たちは、何事かに発展する前に、風呂場を跡にした。


「浴場だけに、ついつい欲情しちゃったね♡」

湯冷めしないよう、しっかりカラダを拭いておかねば。






それにしても、何だったんだ、さっきの通知音は。

助け舟か、はたまた横槍か、判定は難しいが。


ドラム式洗濯機の上に置かれたスマホを手に取りREINを開く。

送り主は、意外にも緑川だった。


珍しいなと思いつつ、送りつけられた複数の動画の内の1つを再生してみる。

呪いのビデオの(たぐい)だったりするのだろうか?


「···な!?なんじゃこりゃー!?」

「どうしたのお兄ちゃん、暗転したスマホ画面に自分の顔が反射したの?」


「円香、長かった5章の大トリは俺たちじゃない。露出狂のドスケベ風紀委員だ」

「?」


俺は、人生最速の指捌きで全ての動画を保存した。

後で、クラウドとPCにバックアップを保存しておこう。


今日は色々な出来事があったが、緑川、お前がナンバーワンだ。

···俺のオカズランキングのな。

次回、「露出症候群」は、緑川楓視点、女性キャラ主役回です。


次回、長かった5章もついに最終回です。

ここまでお付き合い頂きありがとうございます。

引き続き、6章に続いていくので応援宜しくお願い致します!

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― 新着の感想 ―
最新話まで一気に読ませていただきました。 これはひどい(誉め言葉) とりあえずこの作品の為だけにノクターンのアカウントも取りました。 壺とタワシが一体何なのかわからないので(すっとぼけ)R18完…
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